セルラー系IoT通信の仕様は、3GPPのリリース13でCat-M1、NB-IoTの標準化がほぼ完了し、一段落ついた。だが、IoT向け通信の仕様検討はこれで終了したわけではなく、今後も検討が継続される。3GPPではリリース14に向けて、Cat-M1やNB-IoTの機能拡張の検討が既に始まっている。さらに、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に商用化が期待される5Gでは、IoT向け機能が大きな柱となっている。

 最終回の今回は、IoT向け通信技術の将来について展望する。

Cat-M1とNB-IoTの機能向上

 リリース14に向けたIoT機能拡張の内容を表4にまとめた。

表4●セルラー系IoT仕様の今後の拡張
出典:エリクソン
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 Cat-M1とNB-IoTの両方に共通する機能拡張項目として、マルチキャスト通信機能とデバイス位置精度向上が挙げられる。

 マルチキャスト通信機能は、1つのセル内や複数のセルからなる特定のエリアに在圏する全ての同一種類のデバイスと一斉に通信する機能だ。同一機種でソフトウエアを一斉に更新したり、街灯を一斉に点灯させるなどの制御を行ったりすることを目的としている。一部の非セルラー系LPWAでは、このようなマルチキャスト機能を既に持っている。

 デバイス位置精度向上は、配送荷物や工事車両の位置追跡、ウエアラブル端末を用いた運動量測定などで利用するための機能高度化である。

 高ビットレート化は、Cat-M1とNB-IoTの両方で、符号化率を上げることによるビットレートの向上を検討する。加えてCat-M1では、送受信に使う周波数帯域幅を例えば5MHz幅に拡大することで、データ通信容量の拡大を狙う。

 Cat-M1については、VoLTE(Voice over LTE)による音声サービスのサポートも検討するとしている。用途としては、エレベーターなどにおける緊急時の通話サービスなどが考えられる。

 NB-IoTでは、デバイスの通信中の移動(ハンドオーバー)やTDDバンドでの利用も検討するとしている。

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