部下のキャパシティは大丈夫?
イラスト:ハタパグ
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 2人の部下の「つよさ」を把握した舞子。メンバーの特性にあった業務分担を行い、業務効率のアップをもくろんだ。適材適所…そんな四字熟語が舞子の頭をよぎる。しかし、そこで落ち着いていてはダメだ。

 「新たな『つよさ』を身に付けてもらわなくちゃ」

 アリア機械では、社員に年間最大8日間の外部研修の受講を義務付けている。対象は全社員。舞子たちが所属する情報システム部も例外ではない。舞子は、メンバーになるべく早めに研修受講を完了させようと考えた。

 「ええっ、12月末までに8日間全部消化しろ…ってそんな無茶っすよ!忙しいのに…」

 アーサーは大きくうろたえた。まあ、想定内の反応だ。すけさんは表情を変えずに黙って様子を見ている。

 「忙しいときだからこそ、新しい知識とスキルをインプットして、業務効率化とレベルアップを図るのよ!それに…」

 舞子は一呼吸おいた。続ける。

 「冬以降は、購買システムのトラブルやバグの根本原因の特定と解決。次年度のシステム改修検討と運用検討に注力したいの。その前になるべく、私たちのスキルレベルを上げておきたい」

 一理ある。しかし、部下2人の表情からは「イエス」の答えが読み取れない。

 「とにかく、12月が終わるまでに研修8日間をコンプリートしてちょうだい。アーサーは、ユーザー対応力を高めるための研修がいいわね。来週、ちょうどよさそうな研修が3日間あるみたいよ。ほら…」

 そう言いながら、舞子は「アリア機械 社外研修シラバス」と書かれた分厚い冊子をパラパラとめくった。

~そして2週間後の月曜日の朝~

 3日間の研修を終えたアーサーが、久々にオフィスに出社した。

 「お、おはようございます。た、ただいま帰りました…」

 なぜだろう?アーサーはどこかやつれたような、なんだか浮かない表情をしている。

 「お疲れ様!コミュニケーションの研修どうだった?みっちり3本も受けたんだから、ユーザー対応力、格段にアップしているわよね。早速その成果を仕事でみせてよね!」

 舞子は、期待を込めるつもりでアーサーの肩をポンとたたいた。

 「えーと、ううんと…あの…その…」

 アーサーは立ったまま固まっている。次の瞬間、アーサーは頭に手を当てて声を上げた。

 「ああ、もう!色々な知識を詰め込みすぎて、何をどうしたらいいのか分からなくなりました!」

 なんということだろう!アーサーの頭は混乱してしまったようだ…。

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