まずどこを目指すべきか?
イラスト:ハタパグ
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 「チームの残業を減らしてくれ」

 課長の衣笠からこんな指示を受けた舞子。だが、本番稼動直後の購買システムはバグだらけ、クレームだらけで、日々てんやわんやの状況である。チームも立ち上がったばかり。まだ信頼関係もできていない。秋には新入社員を補充すると言われたが、即戦略でない新入社員などチームの足手まといにしかならない。いら立ちを隠せない、舞子であった。

 とはいえ、衣笠に文句を言ってものれんに腕押しだろう。与えられた人員と労働時間の範囲内で、とにかくナントカするしかない。この数カ月のゴタゴタを通じて、購買システムの問題の根本原因が何か、ぼんやりとは見えつつある。それさえ潰せば--いわば諸悪の根源の「ラスボス(ラストボス)」を倒しさえすれば--チームの負荷はぐぐっと下がるはずだ。

 そうはいっても、根本原因の特定と対策検討には相当の時間と労力を要する。そのリソースの創出も課題だ。また、本当にそれが根本原因なのかどうか?購買システム本来の目的を損なわずに業務を安定化させるには、どんな改修や追加機能、あるいは運用対処が必要なのか?それを見極めるには、日々発生する細かなバグや、ユーザクレームなどをある程度経験しなければなるまい。

 目先の敵と戦いながら知見と経験を積み、戦い方の効率を上げて、ラスボスと戦う能力と時間を創出しなくては。舞子は先日、実家で久々にプレイしたドラクエIIIを思い出した。

 「いきなりラスボスと戦うのは無理ね…。まずは目先の敵とどう向き合うか?どうやってチームのレベルを上げていくか?」

 会議室の扉の前。舞子は顎に手を当てて低く唸った。

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