クーデターで投獄されたリーダー
イラスト:湊川あい
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 「わしは、ここに町を作ろうと思いますのじゃ」

 何もない原野に1人たたずみ、野望を語る老人。ドラクエIIIの旅先で出会う、重要人物の1人だ。

 しかし、町を作るには商人の力が必要だと言う。勇者まいこは老人の熱意に押され、仲間のうちの1人、商人「しらたま」を、その地に残していく。しらたまも、この地に骨を埋める覚悟があるようだ。苦楽の旅をともにしたメンバーとの別れは寂しいが、新たな町の発展は楽しみでもある。

 原野はまもなく小さな村に、やがて町へと姿を変えた。冒険の旅の合間、勇者まいこ一団が訪れるたび住民が1人、また1人と増え、町はどんどんと活気があふれてくる。今では、しらたまは町の立派な長だ。名もなき町は、「しらたまバーク」と創始者名を冠したものになっていた。

 老人も、町の人々も、しらたまの手腕を高く評価し感謝している。かつての仲間が才覚を発揮し、成長している姿を見るのは嬉しい。

 …ところが。その栄華も長くは続かない。

 「しらたまのやり方はあんまりだ…」
 「しらたまは、我々を働かせすぎる!」

 少しずつ、しらたまのやり方に反感を持つ者が出てきているようだ。

 ――大丈夫かしら?

 勇者まいこが心配していた矢先、事件は起こる。クーデターが起きてしまった。英雄しらたまは捕らえれ、投獄されてしまう。牢獄の中のしらたまは、静かにこう語る

 「いやあ。私はみんなのためと思ってやってきたのですが、この有様です…」

 そのやりとりを画面越しに眺めていて、舞子は少し不安になった。

 ――私…大丈夫かな?1人で突っ走りすぎていないかしら…。

 舞子は昨年、会社の研修で受けた「傾聴力強化」のテキストを引っ張り出し、パラパラとめくった。

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