第1回で紹介したように、現在、LPWA関連の通信技術が続々と登場している。そんな中、LoRaWANは現在、日本市場において、いち早く導入の動きがある技術だ。

 例えばIoT向け通信を手掛けるベンチャーのソラコムは、業務提携した新興事業者のM2Bコミュニケーションズと共同で、7月13日からLoRaWANの実証実験キット「SORACOM LoRaWAN PoCキット」の販売を開始した(写真1)。基地局に相当するLoRaWANゲートウエイを購入者が設置。半径数キロメートルをエリア化し、キットに含まれるLoRaWANモジュールを搭載した子機を使い、LPWAネットワークを自ら試すことができる。ソラコムとM2Bコミュニケーションズは、既に九州通信ネットワーク(QTNet)や沖縄ファミリーマートなどともLoRaWANの実証実験を展開している。

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写真1●ソラコムが7月13日に開催したイベントにてM2Bコミュニケーションズが展示したLoRaWANのゲートウェイ(左)と端末(右)

 NTT西日本も2016年6月末からLoRaWANを使ったLPWAのフィールドトライアルを開始した(写真2)。トライアルの第1弾として積水化学工業との実験を進めている。さらには6月末の発表以降、「既に数十社のトライアル参加申し込みがある」(NTT西日本 ビジネスデザイン部アライアンス推進部門の堀茂弘担当課長)といい、大きな注目を集めている様子だ。

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写真2●NTT西日本が実証実験に使うLoRaWANのゲートウエイ(左)とセンサーモジュール(右)

 LoRaWANの活用を検討しているのはソラコムやM2Bコミュニケーションズ、NTT西日本だけではない。水面下では大手携帯電話事業者やMVNO(仮想移動体通信事業者)なども、LoRaWANの活用を検討している。

 なぜ数あるLPWA関連の通信技術の中で、LoRaWANが多くの事業者に選ばれているのか。NTT西日本 研究開発センタ開発推進担当の長岡秀樹担当課長は「早期のトライアルを実現するには免許不要帯を用いることが1つの条件だった。さらになるべく縛りが少なく、比較的オープンな方式が望ましい。そうした条件を満たす方式は、LoRaWANが適切だった」と語る。

 ソラコムの玉川憲社長も「免許不要帯を用い、オープンな仕様を用いるLPWA方式は、当時はLoRaWANしかなかった」と打ち明ける。

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