写真1●KDDI、プラットフォーム開発本部クラウドサービス開発部フレームワークグループ課長補佐の大橋衛氏
(撮影:菊池くらげ)
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写真2●KDDI、プラットフォーム開発本部クラウドサービス開発部フレームワークグループグループリーダーの平岡庸博氏
(撮影:菊池くらげ)
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 KDDIは2016年4月、電力自由化を受けた電力事業「auでんき」のサービスを開始した。6カ月という短期開発を実現するため、システム基盤として、Amazon Web Services(AWS)を採用。システム運用で自動化を追求している。2016年6月2日にAWS Summit Tokyo 2016で講演し、auでんきにAWSを採用した経緯や、活用方法を解説した。

 「クラウドの世界では、(インフラ構築や運用の)自動化は、できたらいいなという夢や希望などではなく、それが無ければ成り立たない必然的なものだ」。auでんきのシステム開発を担当した、KDDI プラットフォーム開発本部クラウドサービス開発部フレームワークグループ課長補佐 大橋衛氏(写真1)は、クラウドの活用方針をこう説明する。

 クラウドは、短期開発にも役立ったという。auでんきのシステムは、検討を含めて6カ月で開発した。プラットフォーム開発本部クラウドサービス開発部フレームワークグループ グループリーダーの平岡庸博氏(写真2)は、「クラウドならインフラのキャパシティープランニング(容量設計)がいらない。やりたいことも、既にある機能を組み合わせるだけで、新たに開発することなく実現できる」と評価する。

開発部門は事業のアジリティーを高める

 KDDIがauでんきをAWS上に構築した経緯はこうだ。まず、通信分野以外に事業領域を広げるため電力事業に参入した。参入企業は300社超と多いが、ITで差異化できると考えた。省エネをサポートするスマートフォンアプリを用意しており、電力使用量や電力費用、今後の予測値などが分かる(図1)。

図1●auでんきの差異化ポイントは、省エネをサポートするスマートフォンアプリを用意していること
(出所:KDDI)
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 auでんきのシステム開発案件が持ち上がったのは2013年。ちょうどその頃、平岡氏はAWS Summit Tokyo 2013に参加していた。「正直ヤバいなと思った。クラウドを使えば、ベンチャーが大企業を凌駕できると感じた」(平岡氏)。「開発部門として、今後は事業のアジリティー(迅速さ)を高めなければならないと分かった」(平岡氏)。

 危機感を持つ中で、タイミングよくauでんきの案件が持ち上がった。開発に許される期間は6カ月だった。プラットフォームとしてAWSを採用。短期開発を重視し、従来の請負型ではなく、協力会社と一緒になってアジャイルで開発するスクラム型の開発体制をとることにした。アジャイル開発によって生じるリスクは、AWSの利用によって最小化できると判断した。

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