前回「プログラマーが昇進できないITベンダーはヘンだ」に続いて、「JAWS DAYS 2016」の会場における「SI不要論」に関するパネル討論の模様を伝える。日本のSIer(SIベンダー)の悪いところについて、議論が白熱した。

 コーディネーターは東急ハンズ執行役員(ハンズラボ代表取締役社長)の長谷川秀樹氏。登壇者は「極言暴論!」執筆者である日経コンピュータ編集委員の木村岳史、セゾン情報システムズ取締役CTO(当時、2016年4月1日付で常務取締役CTO=最高技術責任者)の小野和俊氏、クラウド特化型ベンダーであるサーバーワークス代表取締役の大石良氏、某コンサルティング系SIerの牧野了一氏だ。

(構成は清嶋 直樹=日経コンピュータ


東急ハンズ執行役員(ハンズラボ代表取締役社長)の長谷川秀樹氏
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長谷川氏これまでにいろいろな意見が出たが、結局のところ、「ダメなSIer」が出てくる最大の要因は何だろうか。誰が一番悪いのか。

 まず私の意見を言うと、ユーザー企業の情報システム部門が一番悪い。発注の源流がボンクラだと、その先のSIerもボンクラなことをやらざるを得ないから。

サーバーワークスの大石氏:私は先ほども言った通り、雇用規制が悪いと思う。今の雇用環境だと、IT分野で新しいことをやるのが難しい。

長谷川:それはちょっと話が大きすぎるんじゃない? 誰が悪いと聞かれて「法制度が悪い」って、そんなきれいごとを言うのは大石さんらしくないなあ。

サーバーワークス代表取締役の大石良氏
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大石:いやいや、ここが一番悪いと確信している。SIerには技術力を持っているのにうまく生かせず、くすぶっている人もたくさんいる。日本の雇用環境だと、ユーザー企業に転職しようとしても、なかなか難しい。

 逆にユーザー企業は、IT分野で新しいことをやりたいと思っても、失敗したときに解雇できないので、結局採用をためらうことになる。規制が変われば、どんどん採用して新しいことを始められる。そうやって人材の流動性が出てくると、業界全体が良い方向に変わっていくのではないか。

長谷川:なるほど。法規制が悪いかどうかはともかくとして、人材の流動性を高めることには大賛成。自身もアクセンチュア(SIer)から東急ハンズ(ユーザー企業)に転職した経験がある。

 社会人は、人生の3分の1ぐらいは仕事して、3分の1ぐらいは残業するかプライベートの時間を過ごして、3分の1ぐらいは寝ている。生活環境を変えるには、仕事を変えるのが一番だ。転職は本当にいいと思うよ(関連記事:情シス終焉に備え転職しよう)。

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