モバイル決済において重要な要素は「セキュリティ」と「利便性」。ところが、セキュリティと利便性は相反関係にある。セキュリティを強化すれば利便性が損なわれ、利便性を優先しすぎるとセキュリティホールが生まれる原因となる。つまり、モバイル決済で最も重要なのは両者のバランスだといえる。

利便性を損なわずにいかにセキュリティを強化するか

 米GoogleはNFC搭載スマートフォンで店舗決済が可能な「Google Wallet(現在はAndroid Payへと移管)」を長年にわたって提供しているが、決済する段階に至るまでに何段階もの認証を要求されるため、筆者は非常に使い勝手が悪いという印象を持っている。

 一方で、米Appleの「Apple Pay」は指紋認証機能であるTouch IDに指を載せて決済端末にかざすだけで処理が完了するというシンプルさだ。個人的にはApple Payを好んで使っている。こうした使い勝手の良さは、ユーザーの消費動向に与える影響が大きく、今後の利用拡大で重要な要素だと考える。

 「モバイル端末で決済」を考えたときに、いかに利用体験を損なわずにセキュリティレベルを制御するかが重要だと訴えるのは米SecuredTouch CEO(最高経営責任者)のYair Finzi氏だ(写真1)。

写真1●米SecuredTouch CEO(最高経営責任者)のYair Finzi氏
(撮影:鈴木 淳也、以下同じ)
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 モバイル決済全体のパイはそれほど大きくないにもかかわらず、セキュリティ上の様々な問題はモバイルでの利用時に多く発生している(写真2)。ユーザーのモバイル利用拡大とともに悪意ある第三者らの目もモバイルへと向かっていることがうかがえる。しかし、この対策のためにセキュリティを強化して利便性を損ねてしまっては、冒頭で述べたようにユーザーが離れていってしまう(写真3)。

写真2●モバイルでの取引量は少ないにもかかわらず、それにまつわる詐欺行為の比率は高いという
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写真3●ユーザー調査によれば、モバイルペイメントにおいてセキュリティと利便性の両立が重要だという
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