エンタープライズITで創造的な変革をもたらした製品・サービスの提供企業50社を表彰する「ミライITアワード 2016」。日経コンピュータが今回創設した表彰制度だ。50社の中で最も先進的な1社を選出する総合グランプリに加えて、10部門ごとのそれぞれで部門グランプリも選んだ。「教育」の部門グランプリを受賞したのが、人口知能型をうたうCOMPASSのタブレット教材「Qubena」である。サービスに込めた熱い思いを神野元基CEO(最高経営責任者)にを聞いた。

(聞き手は井原 敏宏=日経コンピュータ
 Qubenaの特徴は、生徒一人ひとりについて問題の解答や解答に至るプロセス、スピード、集中度などを分析し、AI(人工知能)によって理解できていない個所や得意不得意を導き出し、理解を深める最適な問題を個別に出題する点にある。使い続けるほど生徒の特性を学習し、教育効果が高まっていく仕組みだ。
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写真●COMPASSの神野元基CEO(最高経営責任者)

開発の狙いを教えてください

 実は私は2010年~2012年に、米シリコンバレーで別のスタートアップ企業を運営していました。テクノロジーが指数関数的に進化を遂げる「シンギュラリティ」(技術的特異点)が起こすであろう変化を目の当たりにしたんです。

 2045年に私はもう仕事をしていないかもしれませんが、子供達は新しい技術が存在する未来の世界で生きていかなければなりません。技術の変化を子供達に伝えなければ、という使命感を抱いたのが全ての始まりでした。

 そしてシリコンバレーから帰国し、東京・八王子で学習塾を始めました。現場で保護者や生徒に常々話したのは、これからは憧れだけで消防士や大工を目指してほしくないということでした。今の子どもたちが大人になったら、こうした職業はもしかしたら人間ではなくロボットなどの技術が担うようになっている可能性が高いからです。

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写真●人口知能を使ったタブレット用教材「Qubena」
写真提供:COMPASS

 一方で、成績が上がらない生徒が塾を辞めていってしまうという問題にも直面していました。そこであることに気付いたんです。それが、集団指導というシステムの非効率性でした。

 生徒一人ひとりの学力は違うわけですから、個別指導の方が効率的なのは間違いありません。ただ、確かなスキルを持って1対1で指導できる教師の数は不足している。現実的には生徒全員を個別指導するのは不可能なのです。だったらその溝を技術で埋められるのではないか。そう考えました。結果として、教師は子供たちに本当に大切なことを伝える時間を確保できるようになるとの思いからQubenaの開発をスタートさせました。

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