エンタープライズITで創造的な変革をもたらした製品・サービスの提供企業50社を表彰する「ミライITアワード 2016」。日経コンピュータが今回創設した表彰制度だ。50社の中で最も先進的な1社を選出する総合グランプリに加えて、10部門ごとのそれぞれで部門グランプリも選んだ。「スポーツ」の部門グランプリを受賞したのが、ネット家電ベンチャーの草分けCerevoが手がけたハイテク自転車「ORBITREC」「RIDE-1」である。プロダクトマネージャー佐藤光国氏に製品に込めた思いを聞いた。

(聞き手は井原 敏宏=日経コンピュータ
 Cerevoは、2016年1月に米国で開かれた家電ショー「CES」で、IoTを満載した自転車「ORBITREC」と自分の自転車をIoT化する端末「RIDE-1」を発表。来場者から喝采を得た。各種センサーのデータをスマートフォン経由でクラウドに転送する工夫がある。
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写真●Cerevoプロダクトマネージャーの佐藤光国氏

ORBITRECとRIDE-1をなぜ作ろうと思ったのでしょうか。

 自転車の情報を取得する機器は既にいくつもあります。例えばいま時速何キロメートルで走っているのかを把握する速度計や、位置情報を取得するGPS(全地球測位システム)、心拍数を取ることができるリモートセンサーなどです。これらをまねるだけでは、既存製品の後追いにしかならないと考えました。

 もっと面白いことができないか――。そう考えたときに出てきたのが、自転車の動きが分かる製品を作ろうというアイデアでした。ORBITRECとRIDE-1は縦、横、斜めの3軸を検知できる加速度センサーや、ジャイロ(角速度)センサー、磁気コンパスによる9軸モーションセンサーを搭載しています。もちろん温度に湿度、GPS(全地球測位システム)のセンサー類も多数備えています。

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写真●3Dプリント技術を活用したIoTロードバイク「ORBITREC」
写真提供:Cerevo

 センサ-を使って自転車の動きをリアルタイムに読み取り、クラウドに送信して処理するのです。「いま自転車がどういう姿勢にあるのか」「運転技能にどう影響しているのか」。こうした疑問への回答を利用者のスマホに表示することで、“自転車乗り”の技術改善に生かせます。

 集めた情報はビッグデータとして分析し、安全情報の共有などに役立てられます。例えば直線道路にもかかわらず、多くの自転車乗りが急ブレーキをかける場所があったとしましょう。そこは危険箇所と推定できます。自転車が傾いて大きな衝撃を受けたのなら、転んだと予測できます。道が荒れていたり穴があったりする可能性を踏まえ、スマホの位置情報を使って他の自転車乗りが現場に近づくと警告音を鳴らすなどフィードバックも実現しています。

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