「Silicon Valley is coming(シリコンバレーがやってくる)」――。米JPモルガン・チェースのジェームズ・ダイモンCEO(最高経営責任者)は2015年4月に送付した「株主への手紙」のなかで、スタートアップ企業が提供する金融サービスへの危機感を露わにした。米国の大手金融機関のトップの言葉は、テクノロジー発の新しい金融サービスFinTechの影響力を物語る。

 FinTechの波は日本にも押し寄せている。金融関連サービスに参入するスタートアップ企業が次々と誕生し、大量の顧客を抱えるサービスも出てきた。今まで静観を保ってきたように見えた銀行も一斉に動き出している。共栄と対立の構図が混じり合うFinTechをキーマンはいかに見ているのか。Zaimの閑歳孝子代表取締役に聞いた。

(聞き手は原 隆=日経FinTech


Zaimの閑歳孝子代表取締役
1979年生まれ。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日経BPに入社。通信専門雑誌「日経コミュニケーション」などで編集に携わる。その後、Web開発会社でブログやSNSなどの自社パッケージの企画・開発を手がけた後、2008年にアクセス解析ツールを開発するユーザーローカルに1人目の社員として入社。2011年に個人としてZaimを公開、2012年に会社化して今に至る。グッドデザイン賞ベスト100受賞。経済産業省主催「流通・物流分野における情報の利活用に関する研究会」委員。(写真:山田 槇二)
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 私たちが提供するPFM(個人財務管理)サービス「Zaim」は、カメラで撮影したレシートや、銀行やクレジットカードなどの情報を金融機関から自動的に取り込んで家計を管理できるスマートフォン(スマホ)向けのサービスです。

 Zaimは現在450万ダウンロードを突破しており、多くの利用者数が使っています。もともとiPhoneの利用者が多かったのですが、Androidの利用者も急激に増えているところです。

 もともと私たちはFinTechをやっていたつもりはありません。気が付けば、いつの間にかFinTechのフィールドに立っていたという感じでしょうか(笑)。今のFinTechの盛り上がりは〝ネーミングの勝利〞だと思っています。

 FinTechという言葉でくくることで「金融にテクノロジーをかけ合わせると新しい仕組みやビジネスが生まれる」という、業界内での共通認識が醸成されました。特に企業トップの方からの期待の高まりを感じます。金融系の新規事業を進めやすくなった人は多いのではないでしょうか。

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