オルタナティブSIの実践モデルは、適用できるシステムの種類、ビジネスモデルや適正な開発人員、契約形態が大きく異なる。実際のシステム導入事例からは、オルタナティブSIで成功する要件が見えてくる(図2)。

 最初の特徴は、ITベンダーが製造工程に頼らない、別の収入源を確保している点だ。

図2●オルタナティブSIを実践するITベンダーに共通する特徴
試行錯誤を経て、成功モデルが見えた
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 人月見積もりのSIモデルは、「多く作るほど儲かる」構造を持つ。ITベンダーは、見積もりの段階ではムダと分かっていてもユーザー企業のわがままに応じ、要件を膨らませる傾向があった。

 オルタナティブSIでは、製造工程には頼らない別の収入源、例えば月額の顧問料、クラウドインフラの保守運用、トレーニング費用などの比率を高めることで、「できるだけ作らない」SIモデルを実現している。

 システム開発の成果を常に顧客に見せている点も共通する。

 伝統的SI、特にウオーターフォール型の開発請負では、動くシステムの画面をユーザー企業が見るのは納品の直前、というケースも少なくない。ユーザー企業は、開発の過程では「本当にシステムが完成するのか」との不安をぬぐえず、ITベンダーに完成責任を求める原因の一つになっていた。製造工程の最後にイメージと異なる画面を見せられ、「思い描いていたシステムと違う」と大量の追加開発を求めるケースも多い。

 オルタナティブSIを実践するITベンダーは、実際に動く画面を常に顧客に見せ、具体的な成果を明らかにすることで、こうした不安を払拭している。要はアジャイル開発の実践だが、PaaSや自動生成ツールを活用することで、短いサイクルで「動く画面」を作れるようになった。

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