小中学校や高等学校でタブレットなどICT機器の導入が進んでいる。タブレットを導入した学校の多くは、当然ながらソフトウエアも併せて導入している。そして一般の企業が採用するソフトウエアと同様、多くの学校が採用しているソフトウエアについてもユーザー会が開催されることがある。そんなソフトウエアの一つがLoiLoが開発・提供する授業支援アプリ「ロイロノート・スクール」だ。

 ロイロノート・スクールは、電子化したテストの提出や採点、ノートの共有など様々な科目で使える授業支援のためのソフトウエアで、タブレットを導入した中高一貫校などで採用が進んでいる。ユーザー会はこれまで私立学校で開催されていたが、2016年1月9日のユーザー会は、公立校としては初となる千代田区立麹町中学校を会場とした。ユーザー会には100人近くの教育関係者が集ったが、ここでは午前中のセッションの内容を中心に学校現場のICT活用状況をレポートする。

「学校のニーズに合ったICTを整備する」

 最初に登壇したのは、麹町中学校の工藤勇一校長(写真1)。工藤氏は麹町中学校に着任する以前、新宿区の教育委員会で小中学校40校のICT化を進めており、その際にロイロノート・スクールの開発元であるLoiLoを知ったという。当時は動画作成ソフトの開発ベンダーとしてLoiloとの接点を持った。工藤氏は、まず新宿区の小中学校のICT化について、自らの考えを交えて紹介した。

写真1●ロイロノートユーザー会で講演する千代田区立麹町中学校の工藤勇一校長
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 新宿区立の小中学校には、各教室に実物投影機とパソコンで構成する「IT教卓」が配備され、さらに短焦点のプロジェクターやホワイトボードが備わっているという。工藤氏は、新宿区の取り組みについて次のように述べる。「簡単に言うと、世の中で使われているICT化を学校に導入しなかった」(工藤氏)。

 どういうことか。「世の中で広がっているICT化は、世の中のニーズに合わせて広がっていったもので、学校のニーズには合っていないだろう。学校に合ったICT、学校だけにあったICT整備をするというコンセプトの下に進めた」。つまり、学校の、学校による、学校のためのICT整備に取り組んだということだ。

 学校のICT化については、国レベルでもその推進が強く訴えられている。その際、国は二つのことを言うと工藤氏は指摘する。一つは、使いやすいコンテンツやソフトウエアが足りないこと。もう一つは教員の研修が足りないこと――である。工藤氏は「新宿区は基本的にこれらを全否定しました」と語る。

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