Z-Waveは、スマートホーム市場で世界で最も普及しているIoT無線規格です。2003年にデンマークのゼンシス(Zen-sys)が開発しました。2009年に米シグマデザインズ(シグマデザインズ)がゼンシスを買収し、事業を引き継いでZ-Wave製品を作っています。また、規格団体「Z-Waveアライアンス」の母体として規格管理、プロモーションを担っています。

 Z-Waveは、2.4GHz帯および5GHz帯を利用するWi-Fi環境下でも確実な伝送を実現するため、「サブ1GHz帯」を使用しています。

 サブ1GHz帯とは、800MHz〜900MHzの周波数帯のことです。各国の法律に基づいて細かく分かれています。米国では902MHz〜928MHz、EUでは865MHz〜868MHzが利用できます。日本では2008年5月に950MHz帯の利用が認可されました。さらに周波数再編を経て2012年7月から920MHz帯の利用がスタートしました。

Z-Waveが海外で支持されている理由

 スマートホーム市場において、IoT端末に求められる要素は多岐にわたります。センサーであれば、検知する精度が求められます。ただ、1つのセンサーでできることは限られます。それを補うためには、複数のセンサーや異なる種類のセンサーが必要になってきます。低い導入コスト、多種多様なセンサーのラインアップ、手軽に使えることなどが重要です。

 導入の手軽さという点では、無線を利用することになります。IoTで本命視されている無線技術としてBLE(Bluetooth Low Energy)があります。しかし、海外でBLEを使用した大規模サービスは存在しません。(1)Wi-Fi環境下で干渉する、(2)特に石造りの家庭が多い欧州では減衰による利用制限が生じる、(3)最大でも7〜10m程度しか飛ばない、(4)端末数を増やせない、などの理由があるからです(表1-1)。

表2-1●Z-Waveと主な無線規格との比較(参考)
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 Z-Waveであれば、上記の課題がすべて解決できます(図2-1)。(1)については、Wi-fiと干渉しない周波数帯を使います。(2)は、ノード間でも30m、最大4ホップが可能なルーティングレイヤーにより150m四方をカバーできます。(3)については、端末数を最大232個まで増やせます。(4)では、低消費電力のため、バッテリー駆動のセンサーに多く採用されています。

図2-1●Z-Waveの技術的特徴
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 特に、4回ホップを使ったメッシュネットワーク技術には既に13年の実績があり、ラスベガスの大規模ホテルなど、数万デバイスを一斉にコントロールする実例があります。

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