今ブームとも呼べる状況にある格安SIMだが、そのネットワークの実態は見えづらい。そこでテレコムインサイドでは、TCP最適化ソフトの開発企業であるJin-Magicの協力の下、独自調査によりその実態を明らかにする。今回調査したのは、NTTぷらら、U-NEXT、日本通信が販売する高速無制限プラン。これら3サービスについて、TCP転送性能、TCP再送率、周回遅延を計測し、ネットワークの運用方針を分析した。

格安SIMサービスの差はネットワーク運用方針の違いの結果

 調査対象は、NTTぷららの「ぷららモバイルLTE 無制限プラン」、U-NEXTの「U-mobile データ専用 LTE使い放題プラン」、日本通信の「b-mobile SIM 高速定額」の3サービスである。月当たりの高速データ通信量を無制限としつつ月額料金を1980円〜2760円(税別)に抑えたプランだ(図1)。

図1●MVNO各社の高速無制限プランの調査結果
2月と4月の調査結果と比べると、例えばNTTぷららのサービスではTCP性能が落ち、日本通信のサービスでは周回遅延が改善されるなど、わずか2カ月の違いにもかかわらず大きな変化が見られた。
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■調査概要
調査期間:2015年2月5日(木)〜2月12日(木)、2015年4月8日(水)〜4月15日(水)/調査地点:東京都港区南青山/調査方法:透過的にTCP性能をモニタリングできるソフトをインストールした計測用端末とAmazon Web Services(AWS)上に構築した計測用サーバーとの間で、2Mバイトのファイルを10〜20分間隔で転送/調査端末:最大150Mビット/秒の通信に対応したNEC製モバイルルーター「Aterm MR03LN」/調査協力:Jin-Magic

 MVNO各社はMNO(移動体通信事業者)から借りたネットワークの帯域幅に対し、帯域制御を施すことでユーザーを効率的に収容している。3サービスはいずれも、NTTドコモのネットワークを利用しており、エリアに起因したサービスの差はほとんどないと考えられる。差が出る主な要素は、各サービスのユーザーの混雑具合、さらにはネットワークの運用方針だ。

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