流動性が低く、消費者に潤沢な情報が行き届いているとは言いがたい日本の不動産業界。そこにテクノロジーの力をまとい、新風を吹かせようと大胆なチャレンジを試みる企業が相次ぎ登場している。共通しているのは、不動産取引のビジネスとIT(インフォメーション・テクノロジー)をかけ算したような斬新なサービスであること。彼らは自らを「不動産テック」企業と名乗る。物件の売却や購入、賃貸、リノベーション、住宅ローンなど、内容は多岐にわたる。

 

情報不足で消極的な日本人

写真●ネット不動産「ノマド」の画面
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 63.1%――。国土交通省「平成26年度 住宅経済関連データ」に記載されている、「住み替え・改善は考えていない」と答えた世帯の割合だ。日本人の多くが住み替えや建て替え、リフォームに対して消極的な姿がそこから浮かび上がってくる。

 全住宅市場に占める中古住宅戸数の割合も、日本は1割強にすぎないとの調査もある。米国が約8割、英国は約9割であることに比べると、日本の住宅市場は総じておとなしめというわけだ。

 なぜ低調なのか。国交省の調査では「住み替え・改善の実現困難な理由」の第一は資金の不足。全体の35.1%に及ぶ。第二の理由は「情報等の不足」で27.5%。賃貸住宅を除けば、ほとんどの消費者にとって住宅の売買やリフォーム、リノベーションは縁遠い存在というわけだ。

 「不動産業界を壊す」。こう意気込むチャレンジャーが、ネット不動産ベンチャーのイタンジで賃貸住宅の検索・仲介サービス「お部屋探しサービスNomad.(ノマド)」事業を率いる鈴木直樹氏である。

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