実はマイナンバー制度には、4つの異なる仕組みがある。マイナンバーそのものと、「個人番号カード」や「公的個人認証」「マイナポータル」である。なかでも鍵となるのは個人番号カードだ。個人番号カードが普及すれば、マイナンバーを扱わずに、電子政府化や制度の民間活用が進みそうだ。4つの仕組みを解説する。

 マイナンバーと、「個人番号カード」「公的個人認証」「マイナポータル」。この4つの個人向け制度が正確に理解されていないことが、マイナンバー法改正を審議した国会でたびたび取り上げられた。メディアの報道も、マイナンバーそのものの利用と、個人番号カードや公的個人認証の利用を混同しているからだ。

 国会で問題視する声が上がった背景には、4つの仕組みを含むマイナンバー制度の全体像が理解されなければ、民間活用への道が開けないという実情がある。とりわけ希望者に無償で配られる個人番号カードが広く普及しなければ、活用の道は閉ざされてしまう(図1)。

図1●個人番号カードがマイナンバー制度の民間活用の鍵
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 個人番号カードには内蔵ICチップがあり、券面記載情報のほか、「公的個人認証」の電子証明書が搭載される(図2)。顔写真が必要なので、個人番号カードは希望者だけに配ることになった。ただ、個人番号カードにはマイナンバーにひも付けられた所得などの情報は記録されていない。また個人番号の裏面に記載したマイナンバーは法定外ではコピーも許されていない。

 「マイナンバー制度の民間活用」というのは、民間企業などがマイナンバーそのものを利用するものではない。個人番号カードの内蔵ICチップに搭載した公的個人認証の利用を指している。

図2●個人番号カードのICチップ内の構成(出所:総務省)
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 マイナンバー法改正案の国会審議で、内閣官房の向井治紀・内閣審議官は「民間が最も欲しがっているのは公的個人認証」だと答弁した。自民党IT戦略特命委員長の平井卓也議員も「実は、マイナンバーよりも公的個人認証の民間活用の方が、恐らくすぐに多くの方々が利便性を感じていただける」と述べている。

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