インターネットではマイナンバー制度への誤解を基にした書き込みが少なくない。マイナンバー制度導入に反対する人だけでなく、自由に使わせようと求める人にも誤解がある。マイナンバーに関係する事務に携わる企業などの関係者は、こうした誤解を一つひとつ解きながら対応を準備する必要がありそうだ。まずは一般的な誤解への対処法をまとめた。

1. 個人情報が一元化され、預貯金が差し押さえられたり副業がばれたりする?

 マイナンバー制度で最も理解されていないのは、そもそもマイナンバーがなぜ必要なのかだ。端的にいえば、マイナンバー制度を導入する目的は、縦割り行政で見逃されてきた社会保障の不正受給や課税逃れをなくして必要な人に再分配をするためだ。

 2011年6月に政府・与党社会保障改革検討本部がまとめた「社会保障・税番号大綱」は、制度が「公平性・透明性を担保し、もって本当に困っている国民を支えていくための社会インフラであり、国民にとって、そのようなメリットが感じられるものとして設計されなければならない」としている。

 行政機関はこれまで、氏名や住所などを使って個人を特定していた。ところが、2007年に「消えた年金記録問題」で持ち主の分からない5000万件もの年金記録が発覚した。それを契機に企業の顧客番号と同じように行政機関も一人ひとりの情報を管理できる仕組みが検討されはじめた。従業員の社会保障費を納めていない企業の不正が把握されやすくなったり、極端に所得が少ない人が税控除や年金の免除申請がしやすくなる可能性はある。

 ただし、行政機関は個人情報を一元管理しない。これは重要なポイントだ。

 国や自治体で保有する個人情報は、マイナンバー制度の下でも各省庁や各自治体が個別に管理する。マイナンバーで個人情報を突合するには「情報提供ネットワークシステム」にアクセスしてマイナンバーを機関別符号に変換し、それぞれの行政機関のシステムにあるデータに照会する必要がある(図1)。

図1●マイナンバー制度での個人情報の管理(出所:内閣官房)
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