ホリデーシーズンに向けたアップルの新製品攻勢を読み解く第3弾は、この春、鳴り物入りで登場した腕時計型コンピューター「Apple Watch」の現時点での成否について検証する。登場当初こそ話題を集めた同製品だが、6月を過ぎた辺りから、「実はそれほど売れていないのでは?」といった話もささやかれ始めている。アップル自身、Apple Watchについては具体的な販売台数を公表しておらず、こうした見方を裏付ける根拠ともなっている。「アップルにとって最も重要な製品」(DANBO氏)であるApple Watchは、この後、どのような進展を遂げるのだろうか?

(編集部)


 アップルは、2014年9月に“最もパーソナルなデバイス”として「Apple Watch」を発表し、2015年4月に、米国、日本、オーストラリア、カナダ、中国、フランス、ドイツ、香港、英国で発売を開始した。その後イタリア、メキシコ、シンガポール、韓国、スペイン、スイス、台湾でも販売を開始している。

 Apple Watchはその性格上、母艦となる「iPhone」が必要だ。だが、iPhoneを販売する国や地域が全世界で約120カ国に広がっているのに比べ、Apple Watchの販売が開始されている国はまだまだ少ない。各国のアップルサイトのトップページに掲げられた製品タブを見ると、「Apple Watch」の項目が用意されている国は限られており、一気に拡販しようという計画が無いことが分かる。

 アップルはまた、2015年会計年度第3四半期の業績発表の中で、Apple Watchの売上高と収益について明らかにせず、「その他製品」の1つとして報告した。

 同時に行なわれたカンファレンスコールの中でも、ティム・クックCEO(最高経営責任者)は、Apple Watchの競争に洞察を与えることを避けるため出荷数は明らかにしないと語り、Apple Watchアプリの数が8500本になったことと、ホリデーシーズンまでに販売チャンネルを増やす方針だけを明らかにした。

 これまでの同社のパターンでは、新製品の出荷台数が100万台に達した時点で高々と公表し、勢いを誇示してきた。今回はそうした発表は行なわれず、どれだけ売れているかは、第三者によるレポートによって予測するしかない状況だ。

 初代Phoneのときは、2007年6月に米国だけで発売し、同9月に100万台に到達した。2010年4月に発売した初代iPadは翌月、100万台到達を発表している。

2014年9月に発表後、半年の準備期間を経て市場にお目見えした「Apple Watch」。だが、具体的な売れ行きについて、アップルは口を閉ざしたままだ。
[画像のクリックで拡大表示]

この先は会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)が2020年1月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら