のっけから私事で恐縮だが、記者は今年はじめ、第二子が生まれたことに合わせて2カ月強の育児休業を取得した。社員800人弱の当社では類を見ない期間だったらしいが、子供たちと過ごす日々は何物にも代えがたいものだった。翻って記者が日々取材対象としているIT業界の育休事情はどうなのだろうか。素直な疑問から今回の特集を企画した。

10年で4倍。それでも100人に2人

 女性の就業継続に欠かせない一つが「男性の育児」だ。だが男性の育休取得率は現状、低い。厚生労働省が2015年8月7日に公表した「雇用均等基本調査(確報)」によれば、2014年度の男性の育休取得率は2.3%だった。10年前の0.56%と比べれば4倍に増え、2013年度からは0.27ポイント上昇するなど、前進しているのは確かだ(グラフ)。

グラフ●男性の育児休業取得率
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 だがそれでも100人でわずか2人。国が掲げる「2020年に13%」の目標にはほど遠い。では、長時間労働が常態化し、苛烈な労働環境の代名詞とも言われるIT業界はどうなのか。記者は意外だったが、実は男性の育休取得に関しては優秀だった。同調査によれば、システム開発やソフト開発などを含む情報通信業は、過去5年にわたり平均を上回っている。

 2014年度調査では平均の2.3%を0.66ポイント上回る2.96%。情報通信業は、同調査で分類した16業種のうち第5位だった。トップだった業界は「生活関連サービス業、娯楽業」で取得率は10.35%。2位は「運輸業、郵便行」で同3.59%。3位の「医療、福祉」(3.52%)、4位の「建設業」(3.17%)と続いた。

 最も低かったのは「不動産業、物品賃貸業」で0.35%。なお、育児休業取得率は、2012年10月1日から2013年9月30日までの1年間に配偶者が出産した男性のうち、2014年10月1日までに育休を開始したか開始する予定を申し出ている男性の割合である。

 女性はというと平均取得率は2014年度で86.6%。情報通信業に限れば95.1%で全体4位だった。女性でのトップ業界は取得率99.2%の「電気・ガス・熱供給」。2位は同98.4%の「不動産業、物品賃貸業」で、3位は96.0%の「複合サービス事業」だった。情報通信業界は男女ともバランスよく上位に入っていて育休に理解のある業界といえそうだ。

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