ITサービスの好事例集「ITIL(Information Technology Infrastructure Library)」。世界中の公共機関や企業で、IT運用のマネジメントフレームワークとして活用されていて、いまやグローバルデファクトスタンダード(事実上の業界標準)と言っても過言ではない。

 一方、「ITILとは何なのか分かりづらい」「社内やお客さんに説明しづらい」「どう使ったら良いのか分からない」と言った戸惑いの声もよく聞く。

 また、運用改善・オペレーションマネジメントの仕組みとして大変優れているにも関わらず、IT以外の業種・職種での活用はおろか、認知すらもされておらず、実にもったいない。

 この連載では、ITの運用以外の職場も想定しながら、「そもそもITILって何?」「ITILを活用するとどんないいことがあるのだろう?」といった疑問を、様々な視点で分かりやすく解説していく。第3話では、「サービスレベル管理」を理解しよう。

【頑張っているのに報われない!】
購買部の2年目社員 友原 京子の嘆き

 化粧品会社の購買部門に勤める2年目社員、友原京子(ともはら きょうこ)。彼女の仕事は、化粧品の販売促進に使うポーチやストラップといった小物の価格交渉と、発注先の選定だ。

 毎日、マーケティング部門や宣伝部からたくさんの依頼が届く。加えて、社内会議やサプライヤーの営業担当者との打ち合わせで、てんてこ舞いの状態。なかなか席にいる時間がない。

 その日も夕方になって、宣伝部から販促用カレンダーの発注先選定依頼の仕事が飛び込んできた。「仕方がない、今日も残業して対応するかな…」。そう考えて、売店にひとっ走りし、サンドイッチと飲みものを買ってきた京子。「よし、準備は万端だ!」。

 気合いを入れて残業し、夜8時を回ったころ。上司が外出先から戻ってきた。スタスタと京子のデスクにやってくる。「『いつも遅くまで頑張っているね』って褒めてくれるのかしら?」。甘い期待を抱く京子だが、裏腹に、上司は不機嫌そうな声色で言い放った。

 「え、友原さん。まだ居たの!?ダメダメ。早く帰ろうよ。そんな仕事、明日でいいからさ。はい、帰った帰った!」

 ええっ!?まさかのお叱りですか?私、一生懸命頑張っているのに…なんでこうなるの?

頑張っても報われない購買部の2年目社員、友原京子
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