米アマゾン・ドット・コムが137億ドル(約1兆5000億円)を投じる巨額買収で、ネット通販とリアル店舗を融合させるオムニチャネル戦略を加速する。買収するのは高級スーパーチェーンの米ホールフーズ・マーケット。全米464カ所に展開するホールフーズの店舗を、宅配サービスの「倉庫」として活用。ホールフーズの生鮮食料品を即時配送して、アマゾンが力を注ぐ生鮮食品の宅配サービスを強化するとみられる。

 アマゾンはホールフーズの買収に関して、買収額のほかは2017年下期中に買収を完了させることしか発表していない。有力視されているシナリオは、アマゾンが2007年から提供している生鮮食料品の配達サービス「アマゾンフレッシュ」の強化だ。

 アマゾンフレッシュは同社の倉庫から配達するサービスだったため、当日配達は可能だったが即時配達ができないなど機動力に欠けていた。米国では顧客が配達時間を指定したにもかかわらずその時間に荷物を受け取らないと、クーラーボックスに入った生鮮食料品が玄関先に置き去りにされることがある。

即時配達に力を入れていた

 実はホールフーズの464店は、現時点で既にネット通販の倉庫と化している。同店舗では近年、高級スーパーの顧客らしからぬ身なりをした人々の姿が目立つようになっていた。

写真 ホールフーズ店内にある「インスタカート」の出荷用冷蔵庫
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 彼らはスタートアップの米インスタカートが雇用するショッパー(買い物係)だ。同社は小売店の店頭にある商品を注文から1時間以内に配達するサービスを全米で展開している。

 ホールフーズは2014年9月にインスタカートと提携して以来、300を超える店舗で即時配達サービスを提供している。2016年2月にはインスタカートに出資した。

 配達料金は1回当たり5.99ドル。ホールフーズの客単価(平均購買金額)54ドル(約6000円、流通ソフトウエア会社である米パーフェクトプライス調べ)の1割強と決して安くはない。

 にもかかわらずホールフーズの即時配達サービスは好調だ。即時配達による売上高は、2017年に4億ドル(約450億円)に達する見通し。ホールフーズの年間売上高は157億ドル(2016年9月期、約1兆8000億円)なので、全社売り上げの約2.5%を即時配達が占めることになる。

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