2000年代初めに渡米し、米Yahoo!、続いて米Google、そして米Twitterという伸び盛りのIT企業の米本社でエンジニアとして腕を振るった日本人がいる。上田学氏だ。上田氏が米カリフォルニア州サンマテオで起業した米Modeが2015年5月、IoT(Internet of Things)のバックエンドシステムを提供するクラウドサービスを開始した。

 上田氏は「実際にIoTのデバイス開発に挑戦してみたのだが、IoTデバイス向けのプログラム開発は面倒なことばかりだった。そういった面倒さを解消するクラウドサービスが必要だと考えた」と起業の動機を語る。ちなみに上田氏が開発に挑戦したデバイスとは「インターネットにつながるスマートスプリンクラー」だという。IoTの何が面倒なのか。上田氏に詳しく聞いた。

(聞き手は中田 敦=シリコンバレー支局)
写真●米Mode 創業者兼CEO(最高経営責任者) 上田学氏
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上田さんは、Yahoo!、Google、Twitterのそれぞれ米本社で、エンジニアとして勤務していました。

 私は日本の大学院を卒業して、外資系企業の日本法人に数年間勤務した後、米eGroupsというネット企業の日本法人に、エンジニアとして就職しました。このeGroupsがYahoo!に買収され、開発チームを米国に集約することになったのが、私が渡米したきっかけでした。その後、Google、Twitterでエンジニアやマネージャーとして勤務してきたのですが、やはり「死ぬまでに一度は起業してみたい!」と思い、Twitterを退職しました。

Twitterを退職してすぐに、今の会社、Modeを起業したのですか。

 いいえ。いくつか試行錯誤がありました。最初は旅行の予約サイトを作りました。他のユーザーと旅程表を共有できるというサイトだったのですが、鳴かず飛ばずでユーザーを数百人程度しか集められませんでした。次に写真を家族で共有できるAndroidアプリケーションを開発したのですが、これもユーザー数は1000人止まり。

 そこで次は「Raspberry Pi」のような小型コンピュータを使って、IoTデバイスを作ってみようと思いました。

どんなデバイスですか。

 無線経由でインターネットから遠隔操作できるスプリンクラーです。カリフォルニアの一戸建てには大抵、芝生に水をまくスプリンクラーが装備されています。このスプリンクラーはスケジュールが設定可能なのですが、融通が利かないので雨が降っている時でも水をまいてしまう。カリフォルニアが水不足に陥ってる今日、節水のためにもよりスマートなスプリンクラーが必要だと考えました。

 ところが実際にそのようなスプリンクラーを開発してみると、面倒なことばかりでした。

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