図1●米デルの公式ブログ
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 「We're Now Accepting Bitcoin in the UK and Canada」――。2015年2月、米デルの公式ブログにこのような見出しが躍った(図1)。同社は、EC(電子商取引)などを手掛ける小売り事業者向けイベント「eTail West 2015」で、米国に限って受け付けてきたビットコイン(Bitcoin)での支払いを、英国とカナダにも拡大すると発表。国際展開を本格化させる姿勢を示した。

 仮想通貨「ビットコイン」の勢いが増している。デロイトトーマツコンサルティングの調査によると、ビットコインを保管する「ウォレット(口座)」の数は世界で約132万(2014年2月27日時点)から約302万(15年2月26日時点)に拡大し、1日当たりの取引件数は同じ1年間で7万件超から10万件超へと増えたという。

 ビットコイン販売所を運営するbitFlyerの加納裕三代表取締役によると、「現在のユーザー数は、全世界で2000万程度と言われている」と話す。

 世界的には規模が小さいものの、ビットコインの取扱量は日本でも増えている。BTCボックスが運営する2014年4月開設のビットコイン交換所「BtcBox」では、2014年5月からの1年間で月間出来高が約36倍に増えた(図2)。2015年4月の出来高は約4万5000BTC(ビットコインの単位、現在のレートで約3万円)。日本円にして10億円を超える取引があったことになる。取引手数料を無料にしたことで同年3月以降に急激に伸びたとはいえ、右肩上がりの傾向は続く。

図2●ビットコイン交換所「BtcBox」の出来高の推移
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 業界内では、ビットコインの普及に水を差さない自助努力も進む。ビットコイン関連事業者で構成する「日本価値記録事業者協会(JADA)」は2014年10月に、ガイドラインを施行した。取引所や販売所のシステムが破られないためのセキュリティ対策基準や、ビットコインの不適切な使用を防ぐための本人確認基準などを定める。

 JADAには、bitFlyerやコインパスなど5社が加盟しており、近く7社に増える予定だという。日本では、大手取引所の「Mt.Gox(マウントゴックス)」が2014年2月に破綻し、仮想通貨に対する逆風が吹いた。1社でも同様の事態を招けば、ビットコインの普及が後退しかねない。業界を挙げて、こうしたリスクを未然に防ごうというわけだ。

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