2015年も早いもので、忘年会のシーズンになりました。ちょっと気が早いですが今回は、2015年のIT業界の地殻変動を振り返りたいと思います。IT業界にとってはひと際大きな変動のあった1年だったと私が考えているからです。変動の中心はもちろん「クラウドコンピューティング」です。

 クラウドコンピューティングという概念が一般に広まったのは、GoogleやTwitter、Facebookといったネット企業が登場し、新しいビジネスモデルを生み出した頃からでした。その意味では新しい言葉ではありません。

 しかし今年はクラウドコンピューティングがもはや一部のネット企業だけのものではなく、どんな業界でも、どんなビジネスにも大きな地殻変動を生み出す起爆剤になったと明確になりました。その中心的存在として誰もが注目しているのは「Amazon Web Services(AWS)」でしょう。

 これまでAWSは単年度の利益よりも先行投資の継続を優先してきました。米アマゾン・ドット・コムは事業部門ごとの収益を開示していませんでしたが、全体の設備投資は公開していました。アナリストや投資家はここからAWSへの膨大な投資金額を読み取ることができました。AWSはまだ赤字ビジネスではあるものの、投資が収益に結びつくようになれば一気に収益性が高まることになると見ていたのです。ところが2015年の第1四半期に始めて開示されたAWS部門の収益はなんと黒字でした。

 この2015年第1四半期に、アマゾンは開示情報を見直して初めて部門収益を開示。AWS部門の四半期売上が10億ドルを超えたと明らかにしました。さらに直近の第3四半期には売上比率では全体の8%に過ぎないAWSが、アマゾン全社の利益の52%を占めると発表したのです。対前年で見た売上の増加率は約80%に達しました。

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