2015年5月14日に開催された「PostgreSQLエンタープライズ・コンソーシアム」(PGEC)の活動報告会。今回は、移行ワーキンググループが報告した、商用データベースからPostgreSQLへの移行について検証結果をレポートする。

 本特集第1回の繰り返しとなるが、商用RDBMSは、性能や機能は申し分ないものの、ライセンスは高額で、ベンダーロックインの懸念もある。商用RDBMSの利用者が「性能や機能でベストではなくても必要な要件を満たすなら、問題ない範囲でオープンソースRDBMSに移行したい」と思ったとしても、ノウハウや情報の不足がネックとなり商用RDBMSから脱却するのは難しい。そこでPostgreSQLのノウハウと情報を共有しようと生まれたのがPGECだ。

 報告会で登壇したのは富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ公共ビジネス本部第三システム部の杉山貴洋氏だ(写真)。同氏は現状の課題をこう話す。「PostgreSQL普及を妨げる要因の一つに、異種DBMSシステムをPostgreSQLへ移行するプロセスが確立していないことが挙げられる。例えば『移行作業をどう進めればよいか分からない』『移行に必要なトータルコストを算出できない』などだ」。

 移行ワーキンググループではアプリケーションはそのままにデータベースだけ商用RDBMSからPostgreSQLへ移行するための作業を一通り試し、ドキュメント化して報告した。このドキュメントだけでデータベースの移行作業が万全になるわけではないが、全体像が把握できるので、作業コスト算出の参考になるだろう。

 2014年の活動はドキュメント化が終わっていなかったデータベース移行の「試験」が中心となった。ここでいう試験とはデータベース移行後の確認プロセスを指す。データやスキーマが正しく移行できたかを調べる。

写真●富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ公共ビジネス本部第三システム部の杉山貴洋氏
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 データベース移行では、商用RDBMSを使っているあるアプリケーションにおいて、アプリケーションをそのままに商用RDBMSをPostgreSQLへと切り替える、といったケースを想定している。検証では、商用RDBMSはOracle Databaseにした。

 検証で取り上げたアプリケーションはオープンソースの企業ポータルツール「infoScoop」。今回の検証は、データベースがスムーズに移行できるか調べるのが目的なので、アプリケーションそのものはあまり重要ではない。入手しやすくてテスト環境の構築に手間が掛からないもの、といった条件で絞り込み、このアプリに決めたという。対応データベースとしてOracle Databaseがあり、PostgreSQLがないこともポイントだった。PostgreSQL対応ならば、移行検証の必要性が薄れる。

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