一般的に企業の業務システムでは商用のデータベースを使うことが多い。機能や性能は申し分はないとしても、それなりにライセンス料がかかる。コストを抑えたいならオープンソースも選択肢に挙がるものの、ノウハウが不足していたり、企業の業務システムでの使用に耐えうるか確かな情報がなく、結局二の足を踏んでしまう。

 そうした悩みを抱えた企業が集まり、PostgreSQLに的を絞り一緒に検証し、情報共有しようと結束したのが「PostgreSQLエンタープライズ・コンソーシアム」(以下、PGEC)だ。「企業の業務システムでPostgreSQLはどこまで使えるか。使うにはどうしたらいいか」と現実的なところを目指している。

 PGECは、参加企業が増え、検証結果の成果物も充実してきてグローバルなPostgreSQLコミュニティでも存在感を増しつつある。PostgreSQLコミュニティでは毎年6月にカナダの首都オタワで年次イベント「PGCon」を開催している。2014年に続いて2015年のイベントでもPGECが講演を行うことになっている。

 2015年の講演タイトルは「Improving PostgreSQL for Greater Enterprise Adoption」。大まかに訳すると「大規模企業環境へのPostgreSQL適用をよりよくするために」というところだろうか。2014年も同様の講演を行っており、好評だったそうだ。プレゼンテーションは英語だったものの、PGECの活動成果報告書は日本語のみとなるため海外からは「英語版も出してほしい」という声が寄せられているという。PGECの活動は世界でも注目されている。

 そのPGECが2015年5月14日に、2014年度の活動成果報告を行った。活動成果報告会は今回で3回目だ。現在の参加企業は正会員が16社、一般会員が32社。発足当初から5倍に増えた。

 毎回成果報告会で異口同音に語られるのは「普段競合となりうる企業と一緒に検証する機会は貴重で役に立った」ということ。PGECの主たる参加企業にはSIerが多く名を連ねている。確かに、ビジネスの場では競合する企業同士が一緒に検証して情報共有する機会はあまりない。各企業の若手にとっては会社以外の世界を知るよい機会となる。

 この特集では、第1回と第2回で性能ワーキンググループによるスケールアップ検証についてレポートする。第3回は、異なるデータベースシステムからPostgreSQLへ移行する検証を紹介する。第4回では、災害発生を想定したディザスタリカバリー構成と、セキュリティ対策を解説する。

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