アップルがマック用OSの最新版「macOS Sierra(10.12)」をリリースした。名称がOS XからmacOSに変わり、Macならではの環境整備を推し進めるプラットフォームになってくれるのではと期待しているが、2001年の最初のMac OS Xと基本的に変わっていないとも思える。なんとも残念だ。

ビジネスユーザーはアップデートを慎重に

 macOS Sierra 10.12はiOSとの連携が以前に比べて格段に強化され、iPhoneやiPadとともに活用している人はとても快適に使える。例えば、Macでメールを途中まで書いているときに外での急用が飛び込んでしまい、書きかけのまま飛び出さざるを得ないようなときに、そのまま、iPhoneで続きが書けるHandoff、どれかのデバイスでコピーをしたものを、同じApple IDで使っている別のデバイスでペーストできるユニバーサルクリップボード、Apple Watchを腕に付けたまま、デスクトップのMacの近くに座ればパスワードをタイプインしなくても自動ロック解除できる機能など、時間に追われながら仕事をしているビジネスパーソンが喜びそうな機能が追加された。

 実はこれらの機能はかなり新しいデバイスが必要で、MacBook (Early 2015 以降)、MacBook Pro、MacBook Air、Mac mini 、iMacは2012 以降、Mac Pro (Late 2013)でなければ動かない。古い機種をたくさん使っている筆者の場合、Mac miniのみしかその恩恵にあずかれないので悔しい思いをしているが、使える機種の上では確かに仕事の能率が上がって気持ちがいい(図1)。

図1●新OSのmacOS SierraにはiOSデバイスとの連携機能がたくさん入った
MacとiPhoneで作業継続できるHandoff、デバイス間でコピー・ペーストできるユニバーサルクリップボード、Apple Watchで自動ロック解除する機能など、アップル製品で仕事環境をそろえている人にはとても快適な世界が出現する。
[画像のクリックで拡大表示]

 もうひとつiPhoneとの連携機能としてことのほか便利なのはiPhoneにかかってきた電話をMacで出られる機能「iPhone セルラー通話」がある。こちらは今回実現した新機能ではないが、キーボードに向かって仕事をしている最中にそのまま電話の受け答えができる。iOS 8.1以降、MacはYosemite(OS X 10.6.8以降)であれば動作する。

 旧版のOSよりもメモリー使用効率、アプリの起動速度などが全般的に速くなり、アップデートはおすすめではあるけれど、日常的に使っているアプリが新OSのもとでは動かないということもある。主要なビジネスソフトは既にSierraに対応したものが多いが、中には不都合が生じているものもある。PFUのスキャナーScanSnapの一部ではPDF文書の一部が欠落するなどの不都合が出ており、利用する場合の注意点をこちらで告知している。また、AdobeのCS6製品も一部対応していないので注意が必要だ。現在の対応状況はこちらで告知している。この版からはJavaのサポートが行われなくなったので、利用アプリの中でJavaに依存している部分があれば要注意だ。また、外部のハードウエアを直接コントロールするタイプのシステムは動かない可能性もある。自分が日ごろから依存して使っているアプリがSierraの上で正常に動くのか情報を確認してからアップデートするようにしよう。

この先は会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は申し込み初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら