昨年の2015年は、年明け早々にIoTが大きな注目を集めるなど、ポスト・スマートフォンを模索する取り組みがIT業界全体で進められた年だった。果たして2016年、ポスト・スマートフォンの有力な候補は現れるのだろうか。

昨年大きく注目された「IoT」

 いよいよ2016年がスタートするが、改めて昨年を振り返ると、IT業界全体で大きな注目を浴びたのは、やはりIoT(Internet of Things、モノのインターネット)だったと思う。身の回りにある様々なものがインターネットに接続することで新しい価値を作り出すという概念は、1年を通して関心を集めた。

 そして昨年は、IoTという新しい市場の創出に向け、様々な製品や施策も積極的に打ち出された。スマートフォンから開錠できるフォトシンスのスマートロック「Akerun」や、スマートフォンと連携して家族間でメッセージのやり取りができるユカイ工学の「BOCCO」など様々なIoT機器が登場した。加えて、ヤフーがIoT向けのプラットフォーム「myThings」を提供するなど、ソフト面での取り組みも相次いだ(写真1)。

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写真1●スマートフォンで開錠できる「Akerun」や、スマートフォンアプリと連動して伝言のやり取りができる「BOCCO」など、IoT関連機器は確実に増加している。写真は2015年7月27日にヤフーが開催した「myThings」発表会より(筆者撮影)

 ネットワーク面においてもIoTに関する動きが進められた。昨年にはスマートフォンと比べ通信量が少ないIoT関連デバイスへの採用を見越し、モバイル通信方式の標準化団体である3GPPがLTEの新しいカテゴリー「カテゴリー0」を策定した。これは通信速度を低速に抑えて、省電力かつ低コストを実現し、なおかつLTEの低遅延という特性を生かせる仕様となっている(写真2)。

写真2●3GPPにてIoT向けの低速・低コスト・低消費電力を実現するLTEの標準化が進められている。写真は2015年10月29日に実施された「第2回 IoT/M2M展」のKDDI講演より(筆者撮影)
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 今年からはカテゴリー0に対応するLTEの通信モジュールなどが登場すると見られているほか、より低消費電力・低コスト化が進められながら、広範囲のエリアをカバーできるなど、よりIoTに適した「LTE-M」や「NB-IoT」の標準化も進められている。それゆえ今後は、LTEによってWi-FiやBluetoothより自由度の高いIoTのネットワークを構築しやすくなると見られている。

 ここまで急速に、IoTに関する取り組みが加速したのには、もちろんIoTが新しい価値を生み出す概念として注目されたことが大きい。だが大きな要因は、やはりスマートフォンの「次」となる成長要素を、業界全体で模索していることが大きいと考えられる。

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