ディー・エヌ・エー(DeNA)は2016年10月7日、「DeNAショッピング」「auショッピングモール」などDeNAの主要EC事業を、KDDIに譲渡すると発表した。これらはDeNAにとって創業事業であるにもかかわらず、なぜ手放すに至ったのだろうか。

DeNAが「DeNAショッピング」などを約63億円で譲渡

 現在はゲーム事業を主力として、様々なインターネットサービスを提供するなど多角化を進めているDeNAだが、元々はEC事業を主体として創業した企業だ。

 創業当初の事業はインターネットオークションサービスの「ビッダーズ」だった。その後ビッダーズは通常のEC事業も手掛けるようになり、総合ECサイトに発展。パソコン向けのサービスとしてはヤフーや楽天などの後塵を拝したが、2005年にKDDIと提携し、「auオークション」(現在は「モバオク」に統合)や「auショッピングモール」を展開するなど、フィーチャーフォン向けのECサービスで主導権を獲得したことにより、事業を急拡大させていった。

 ビッダーズは2013年に同社のコーポレートロゴ変更に伴って、「DeNAショッピング」と名称を変えた。2006年に「モバゲータウン」(現Mobage)を開始したのを機に、DeNAの主力事業がゲーム事業へと移行してもなお、EC事業は現在まで主要事業の1つとして継続している。

写真1●現在はゲームが主力事業となったDeNAだが、創業事業であるEC事業は、「ビッダーズ」から「DeNAショッピング」に名前が変わったものの、今なお継続している。写真は2013年1月10日のDeNA新ロゴ・新サービス発表会より(筆者撮影)
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 しかしながら10月7日、DeNAはDeNAショッピングやauショッピングモールといったECの主力事業を、提携先のKDDIに約63億円で譲渡すると発表したのだ。譲渡後も、オンライン航空券販売サービスの「DeNAトラベル」など一部のEC事業は残るものの、創業当初から続けてきた事業を手放すのは非常に大きな出来事だ。

 一体なぜ、DeNAは創業事業を手放すという判断に至ったのだろうか。そしてなぜ、KDDIはDeNAのEC事業を買い取ると判断したのだろうか。両社の最近の動向や、周辺環境の変化などから考えてみたい。

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