2016年はVR(仮想現実)が大いに盛り上がっているが、一方で「Pokemon GO」(ポケモンGO)の影響などから、「AR」(拡張現実)も再び注目を集めつつあるようだ。ARは今後どのような進化を遂げるのだろうか。

今年の注目技術はVRだけではない、ARにも脚光

 今年大きく盛り上がっているIT関連の技術といえば、前回取り上げた「VR」(Virtual Reality、仮想現実)が挙げられるだろう。東京ゲームショウだけでなく、1月に開催されたCESなどの海外イベントでも、VRは非常に大きな盛り上がりを見せ、高い注目と関心を集めていた。また最近ではVRに対応した製品も次々登場しており、急速にVRの市場が立ち上がりつつあると分かる。

 だがもう1つ、今年大きな注目を集めた技術が存在する。それが「AR」(Augmented Reality、拡張現実)だ。ITを用いて様々な情報を付加することにより、現実空間を拡張する技術である。iPhoneが日本で発売された2008年頃から注目されるようになり、頓智ドットの「セカイカメラ」など、スマートフォンを活用した多くのAR関連サービスやコンテンツが登場してブームをもたらした。

写真1●ARモードを搭載した「ポケモンGO」の大ブームによって、ARが再び大きな脚光を浴びることとなった(筆者撮影)
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 だが当時のスマートフォン性能の限界や、キラーコンテンツの不在などもあり、2010年頃をピークとしてARのブームは沈静化。ARの注目度を高めるきっかけとなったセカイカメラも、2014年にサービスを終了してしまった。現在もなお、KDDIの「SATCH VIEWER」などに代表されるARビューアーが、企業のプロモーション用途を中心に多く用いられているが、その後急速な盛り上がりを見せたVRと比べると、存在感が薄れてしまったのは事実だ。

 しかしながら今年、そのARが再び大きな注目を集めることとなった。その理由は、日本では7月22日に配信が開始され、世界的なブームを巻き起こした米ナイアンティックのスマートフォン用ゲーム「ポケモンGO」である(写真1)。

 既に多くの人がご存じかと思うが、ポケモンGOは現実世界を舞台として、各地に点在するモンスターを実際に足を運びながら探して捕まえ、バトルするゲームである。モンスターを捕まえたり、モンスター同士をジムでバトルさせる際は、現実の風景とモンスターを重ね合わせて表示する「ARモード」が用意されており、現実の世界にモンスターがいるかのような雰囲気でゲームを楽しめる。

 ポケモンGOのARモードは簡易的なものであり、リアリティに欠けるという声も少なからずある。だがそれでもなお、ポケモンGOにARモードが存在したことには大きな意味があったと言えるだろう。なぜなら、ARモードを用いて様々な場所にいるモンスターの姿をプレーヤーがSNSなどに投稿したことが、ポケモンGOに対する注目を集めブームに大きく影響したと言えるからだ。

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