2016年6月3日、ソフトバンクグループはスマートフォン向けゲームアプリ「パズル&ドラゴンズ」などで知られるゲームベンダーのガンホー・オンライン・エンターテイメント(以下、ガンホー)の株式を売却し、ガンホー側がそれを公開買い付けで取得することを明らかにした。なぜ、ソフトバンクグループはガンホー株を手放すに至ったのだろうか。また、ソフトバンクグループの手を離れたガンホーは、今後何を目指すのだろうか。

実質的にソフトバンクグループの手を離れるガンホー

 スマートフォンにおける「パズル&ドラゴンズ」(以下、パズドラ)の大ヒットで、ここ数年急速に業績を伸ばし続けてきたガンホー。そのガンホーをソフトバンクグループ(当時はソフトバンク)が連結子会社としたのは、2013年3月のことである。

 もともとガンホーは、ソフトバンクグループ代表取締役社長である孫正義氏の弟、孫泰蔵氏が創設して会長を務めていたなど、ソフトバンクグループとの関係は非常に深かった。その後スマートフォンの盛り上がりとガンホーの急成長を受け、同社はソフトバンクグループの連結子会社となった。

 だが、6月3日に両者の関係が大きく変化する発表がなされた。ソフトバンクグループは保有するガンホーの株式の大半を売却、ガンホーは持分法適用会社から外れるというものだ。ガンホーはソフトバンクグループが売却した株式を公開買い付けで取得するとしている。ソフトバンクグループは引き続き5%弱の株式を持つので関係性が完全に断たれるわけではないが、事実上ガンホーはソフトバンクグループから大きく距離を置く形となる(写真1)。

写真1●ガンホー株売却が明らかになる前の5月10日に実施されたソフトバンクグループ決算説明会の様子。孫正義氏はガンホーの事業に対する説明を簡素にとどめており、両者に距離が出ている印象を受けた(筆者撮影)
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 ソフトバンクグループは同じ6月3日に、中国でEC事業などを展開するアリババ・グループ・ホールディングの株式を一部売却すると発表している。ガンホーの株式売却と併せて、ソフトバンクグループが企業買収など何らかの目的で資金を確保するのではないかという噂が流れている。

 だが、売却後も引き続きソフトバンクグループが多くの株式を保有し、持分法適用会社の関係を維持するアリババとは異なり、ガンホーは経営上、ソフトバンクグループとの関係が大幅に弱まることとなる。アリババと比べると扱いが大きく異なるのは確かであろう。

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