ユーザー企業が安心してOSSを使い続ける上では何が重要か。「ゾンビOSSになりそうなソフトを選ばない」ことだけが対策ではない。ゾンビOSSを生み出さないことが、ユーザー企業やベンダーに求められている。そのための心得を、四つ紹介しよう。

心得 1:貢献

 Struts 1とOpenSSLの教訓は、ゾンビOSSを生み出す責任はユーザー側にもあったということだ。「『OpenSSLの開発者が困窮していた』という報道があったこともあり、欧米のIT業界では『OSSのただ乗りは良くない』『OSSの開発に貢献していこう』という機運が高まっている」。米OpenIDファウンデーションの理事長を務めるなど海外のOSS事情に詳しいNRI基盤ソリューション企画部の崎村夏彦上席研究員はそう指摘する。

 実際OpenSSLに関しては、開発者を支援する動きが始まった。米Linuxファウンデーションは14年4月、OpenSSLのようなITインフラの維持に不可欠なOSS開発を支援する「Coreインフラストラクチャー・イニシアティブ(CII)」という取り組みを始めた。CIIには米国の主要ITベンダーや富士通、NEC、日立製作所などがスポンサーとして参加。数百万ドル規模の資金をOpenSSLの開発や、シェルのOSS「OpenSSH」の開発、システムの時刻を同期するプロトコル「NTP」の開発などの支援に投じる。

 CIIを主導するLinuxファウンデーション自体が、Linuxのオリジナル開発者であるリーナス・トーバルズ氏らを金銭的に支援するために誕生した組織だった。現在はLinuxファウンデーション以外にも様々なOSS支援団体が存在する(表3)。世界中の大手ベンダーや大手ネット企業がこれらの団体のスポンサーとなっている。

表3 主なOSS支援団体
法律面や金銭面、人員面を支援
[画像のクリックで拡大表示]

 OSS支援団体は、OSS開発を資金面で支援するだけでなく、開発の主体にもなり始めている。例えばSDNツールOpenDaylightの開発を主導しているLinuxファウンデーション傘下のOpenDaylightプロジェクトでは、「プラチナメンバー」に対して10人の開発者を、「ゴールドメンバー」に対して3人の開発者をプロジェクト専任にするよう求めている。

この先は会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)が2020年1月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら