いま脚光を浴びている人工知能。グーグルやマイクロソフト、フェイスブック、バイドゥ(百度)といった米中の大手IT企業が、この分野への投資を加速している。人工知能を使えば、人間には扱いきれない膨大なデータの中からビジネスに役立つ「意味」や「知識」を引き出せるからだ。

 今まで使い道がなかった「眠れる情報」を宝の山へと変えることができる——。

 そのことに気付いた先進企業が人工知能開発に猛烈な勢いで突き進んでいる。米中企業だけではない。日本企業も走り始めた。人間の脳を模倣した新技術「ディープラーニング」によって急速に実力を増した人工知能技術の最前線に迫る。

人工知能の最有力技術として注目を集めるディープラーニング。どのような仕組みで、いったい何ができるのか。デンソーアイティーラボラトリの事例や、グーグルが4億ポンドで買収したベンチャー企業の事例から、その実像に迫る。

 ディープラーニングの仕組みを、冒頭に紹介したデンソーアイティーラボラトリの画像認識システムを例にとって見ていこう(図4)。同社の画像認識システムは、車載カメラが撮影した動画から「歩行者の有無」「体の中心線の座標」「頭頂部の座標」「つま先の座標」「歩行者の体の向き」を判別する機能を備える。

図4 デンソーアイティーラボラトリが開発した「Convolutional Neural Network」
フィルター処理で特徴を抽出
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 ディープ・ニューラル・ネットワーク(DNN)には複数の種類があり、同システムでは、画像認識の世界で近年、高成績を上げている「Convolutional(たたみ込み) Neural Network(ConvNet)」を採用した。

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