安倍首相の決断により7月17日に白紙撤回されることになった、2020年東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場の建設計画。新たな整備計画は今秋にも公表される見通しだ。新計画による新国立競技場が完成するのは、2020年7月の東京オリンピック・パラリンピック開催前のギリギリのタイミングになると見られる。

 この事態に頭を抱えているのが、東京オリンピック・パラリンピックを第5世代移動通信システム(5G)のショーケースにしたいと考えていた国内の通信業界関係者だ。オリンピックのメイン会場となる新国立競技場にいち早く5Gのインフラを配備し、最先端の通信技術のショーケースにするつもりが、スケジュール的にかなり厳しい事態になってしまったからだ。国内の5G関連の取り組みをリードするNTTドコモ先進技術研究所の中村武宏5G推進室室長は「スケジュール面では確かに厳しい。しかし諦めずに何らかの策を考えていきたい」と語る。

 数万人規模の来場者が集うオリンピックのメイン会場は、通信インフラに求められる要件も高い。さらにオリンピックが開催される2020年には、HDクラスの動画を観客席から来場者がどんどんアップロードするような利用シーンも想定される。上り、下り回線を含めた超大容量のスループットが求められる。

 このような要件に対し国内外の通信関係者は、競技場の屋根に5Gの基地局を配置。指向性を高くして、屋根から見通し通信で電波を吹くことで大容量のスループットを確保することを考えていたようだ。実際、NTTドコモは5Gのシミュレーションとして、競技場の屋根に基地局を配備し、スループットを確保するようなイメージも見せていた。

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