山内:「世界算数」には学習塾だけでなく、学校からの参加もありましたか?

礒津:米国や中国からは、世界算数をご自身で見つけた熱心な先生が問い合わせをしてきてくれました。例えば数学クラブの先生が、クラブの子どもたちに受けさせたいと問い合わせをくださったようなケースがあります。

 でも日本の先生からの問い合わせは全くありませんでした。私立は一部ありましたが、公立は皆無で、ちょっと残念でしたね。

山内:日本の公立学校では、いきなり外部のサービスを採り入れるというのはハードルが高いんですよね。まず学校長にお伺いを立てて、学校長も判断できないから教育委員会に行って……とかいうことになってしまいます。

 あと、日本の学校の教員は、意外にソーシャルメディアを使っていません。ですから、そもそも「知らなかった」という可能性もあると思います。

礒津:なるほど、それはあるかもしれませんね。

日本の算数に注目し、急ピッチで思考力教育を充実させる中国

礒津:中国からは、世界算数を受験して「どうしたらこういう問題を解けるようになるか」という問い合わせも結構寄せられました。日本の文部科学省に相当する、教育部という国の機関とも連携してやっていこうという話も進んでいます。

 中国の動きは速いです。思考力を高めるためのプロジェクトチームがどんどん立ち上がっています。彼らが注目しているのは日本の思考力教育で、「日本の算数がすごい」というのは中国では当たり前のように、みんなが知っています。

 2015年11月末には、日本の算数をベースにした学習アプリ「STEM101 Think(国内名称未定)」を中国で先行リリースしました。「思考力とは何か」をエンジニアの立場から改めて考えて、五つの思考回路として定義しました。実はソフトウエアを開発する際の思考プロセスは、算数の問題を解くときの思考プロセスと似ているんですね。その発想で、思考力を定義し直しています。

日本の算数をベースにした学習アプリ「STEM101 Think」
(出所:ソニー・グローバルエデュケーション)
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