エンタープライズアジャイルの一つである、アジャイル開発プロセス・フレームワークで「ディシプリンド・アジャイル・デリバリー(DAD)」を解説する。前回は、DADが誕生した背景について解説した。後編の今回はDAD(ディシプリンド・アジャイル・デリバリー)そのものの解説に入る。

 DADの位置付けを明確にするために、アジャイル・スケーリング・モデル(図2)を紹介しよう。アジャイル・スケーリング・モデルはアジャイル関連の手法を三つのレベルに分類したものだ。

図2●アジャイル・スケーリング・モデル
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 このモデルで最も下位層に位置するのが、「コアアジャイル開発」である。XPやスクラム、モデリングにアジャイル開発の価値を取り入れた「アジャイルモデリング(AM)」などの、ソフト開発にフォーカスした基本的な手法はこのレベルに含む。メンバーは同じ場所で作業し、10~15人程度の少人数のチームを対象とする。

 中間層にあるのが「アジャイルデリバリー」だ。ソフト開発にフォーカスするコアアジャイル開発と異なり「デリバリー」にフォーカスする。つまり、ソフトを開発するだけでなく、プロジェクトの開始からシステム運用を始めるまでの、デリバリーライフサイクル全体をカバーする。DADはここに位置付けられる方法論だ。

 最上位は「アジリティ@スケール」になる。プロジェクトを困難にする要素である「スケーリングファクター」が、一つあるいはそれ以上含むプロジェクトに対処するための手法がこのレベルに属する。大規模チーム、メンバーの地理的な分散、コンプライアンスなどがスケーリングファクターの例だ。このレベルに位置付けられる方法論が「Scaled Agile Framework(SAFe)」である。

 デリバリーライフサイクルを考慮したアジャイルデリバリーを適用することなく、その上のレベル(アジリティ@スケール)でスケーリングファクターを踏まえてアジャイルを実践するのは困難である。つまり、DADなどのアジャイルデリバリーに属する方法論は、アジリティ@スケールに進むためのステップとなるフレームワークといえる。このことから、DADは大規模に限定した開発手法ではないことが分かるだろう。

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