画像●Web版Power BIの画面
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 日本マイクロソフトが総務省の調査などを元に試算したところ、ビッグデータによって7.7兆円の経済効果が得られることが分かっているという。東京オリンピックの経済効果が3兆円といわれているので、その倍額に相当する。だが、現時点では、その4.6%しか活用されていないとも。

 ビッグデータというと、どうしても量やバリエーションばかりが注目されるが、真っ先に考えなければならないのは誰が活用し、どのように事業に生かしていくかだとマイクロソフトはいう。つまり、特定の業種、業態、部門だけが使うものではないことに注目しなければならない。

 現状ではマーケティングでの活用が先行し、一部ではBI(ビジネスインテリジェンス)で経営管理に使われるなどの限定的な利用だが、これをもっと裾野を広げる方向に活用していくことが必要だという。

利用しないのはビッグデータが扱えないから

 なぜ、裾野が広がっていかないのか。

 その原因をやはり総務省が調べたところ、まだ技術的な障壁を感じている企業が少なくないようだ。だから、マイクロソフトはその障壁を取り除く。ハードルを下げる。そのテーマに対してここ数年取り組んできた同社では、誰もが使えるツールでビッグデータを扱えるようにするのが一番いいと考えた。そして、ビッグデータの民主化をビジョンとし、Excelを使ってビッグデータを扱えるようにして技術的な障壁を解消した。

 でも、それでも足りない。障壁はまだある。費用対効果が分かりにくい、あるいは費用がかかるというものだ。

 そこでマイクロソフトは新戦略として経済的障壁も下げることを提案、Power BIをフリーで提供することになった。

 ここで注目すべきは、Excelのアドオン的存在であるPower BIが、Webアプリとして提供されている点だ(https://www.powerbi.com/)。Webアプリとして提供されているのは、マイクロソフトによれば、既存のPower BIを使うにはExcel 2013が必要だが、企業で使われているExcelはまだまだ2010版が少なくないためだという。

 Windows Firstでもなければ、Office Firstでもない。将来的なAzure利用拡大を視野に入れた壮大なマーケティングである。ここに同社の本気を感じる。

山田 祥平(やまだ しょうへい)
1980年代、NEC PC-9800シリーズ全盛のころからパーソナルコンピューティング関連について積極的に各紙誌に寄稿。Twitterアカウントは @syohei