Windows 10の画面
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 マイクロソフトはサービスとしてのWindowsを戦略として打ち出そうとしている。その最初の一歩が、Windows 10だ。Windows 10は、Windows 7以降の環境に無償で提供され、さらに、将来のメジャーバージョンアップまでは無償で機能追加等が行われることになったという。

 将来のメジャーバージョンアップというのは、どのタイミングなのか。それはWindows 11のようなバージョンを指すのかどうか。そして、本当に11が出るのかどうか。現時点ではそれは分からない。だが、少なくともメーカー製のPCの場合、エンドユーザーが自分のPC用にOSのアップグレードパッケージを購入するようなことは、もうないのではないか。

 パソコンのライフサイクルを5年程度と考えた場合、それ以上の期間使い続けるユーザーもいれば、それ未満で買い換えをするユーザーもいる。スマートフォンなどはドコモの月々サポートのように、2年間という期間を縛って機器代金の一部を還元する仕組みで、2年間程度のインターバルで機種を変更させることに成功している。その良し悪しは別問題として、延々と古いスマートフォンを使い続けられることを抑止できているわけだ。その一方で、MVNOを使うことでコストを下げようとするユーザーは、延々と古いスマートフォンを使い続けるようになるかもしれない。

企業システムにとってOSのバージョンアップは意味があるか?

 マイクロソフトとしては、エンタープライズ利用については、OSの位置付けは今まで通りを選ぶことができるとしているし、そうでなければ困る企業もたくさんあるだろう。昨日まで普通に使えていた業務アプリが、OSのバージョンアップでいきなり使えなくなって、その対応に多大なコストがかかり、そのうえ、業務が止まってしまうということになれば目も当てられないからだ。

 企業におけるシステム管理部門は、OSベンダーにとってのエンドユーザーだ。同時に、企業が従業員にデバイスを提供して、従業員がそれを使うのだから、システム管理部門は従業員にとってデバイスベンダーでもある。OSベンダーがOSをサービスとして提供し、従業員はそれが当たり前だと認識することの間に立って、システム管理者は実に悩ましい立場になる。そこをどう解決していくかが、これからの管理者の腕の見せ所といえるだろう。

山田 祥平(やまだ しょうへい)
1980年代、NEC PC-9800シリーズ全盛のころからパーソナルコンピューティング関連について積極的に各紙誌に寄稿。Twitterアカウントは @syohei