毎年、大学就学能力試験(韓国の大学入試のための共通試験)が終わる頃に開催される韓国のゲームショー「GSTAR」。2016年は11月17~20日、釜山のBEXCOで開催された。今年の観覧者数は、歴代最多の21万9267人。昨年の20万9617人を1万人近く上回った。参加企業は28カ国600社だった。

 GSTARはB2Cのゲームの新作公開と体験、eスポーツ大会、B2Bのゲーム販売と投資誘致をサポートするゲーム投資マーケット、ゲーム業界の求人のための合同会社説明会が一堂に会する韓国ゲーム業界最大のイベントである。例えばeスポーツ大会に関しては、韓国ではスポーツリーグのようにオンラインゲームの対戦をケーブルテレビなどが中継するほど人気があり、今回のGSTARでは「FIFA ONLINE 3アディダスチャンピオンシップ」や「League of Legends KeSPA Cup決勝戦」などが開催された。

NEXONが過去最大級の展示をした理由

 歴代最大のブースで新作ゲームを公開したNEXONは、新作ゲームだけで35種を展示した。内訳はPC向けオンラインゲームが7種、モバイルゲームが28種だった。この内19種はブースでプレイできるようになっていた。新作の数も歴代最多公開だったが、会場の4分の1をNEXONが占めたことで、韓国メディアの間で「GSTARではなくNEXSTARと呼ぶべきではないか」という話まで出たほどだった。

 NEXONがここまで大規模な展示をしたのは理由があった。

 2016年上半期、NEXONを立ち上げた創業主のキム・ジョンジュ会長が、検察上層部にNEXONの株を不正に譲渡し大儲けさせたとか、現在退陣を求められている朴槿恵大統領の元秘書の妻が所有するビルを時価の3倍近い高値で買ってあげたといったことが検察の捜査で発覚した。その影響で、キム会長はNEXONの取締役を辞任した(NEXONは日本に本社がある)。「ベンチャー神話1世代」と言われ尊敬されていたキム会長だったが、韓国内では「実は権力層に賄賂を渡して癒着していたおかげでNEXONも成功できたのではないか」という視線を向けられるようになってしまった。

 NEXONのイメージも当然下落した。そこでNEXON KOREAはGSTARで大々的に新作を公開することで負のイメージから脱皮を狙った、というのが韓国メディアの共通した見方である。実際にNEXON KOREAのパク・ジウォン代表理事も、GSTAR会場で「上半期には社内で色々とよくないことがあったが、これを克服するためゲーム会社の基本であるゲームに集中する」とコメントした。

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