クオリカ(株)では,グローバル展開を通じて変革を進める中堅・中小製造業を支援すべく,クラウドサービス型で利用可能な生産管理システム「AToMsQube」を2011年4月より提供してきた.グローバル化を背景に年々厳しさを増す日本の製造業においては,生産管理業務を中心に基幹業務システムでのクラウド活用に注目が高まっている.本稿では日本の製造業を取り巻く環境も振り返りながら,AToMsQubeによるシステム化のメリットを事例も交え紹介する.なおAToMsQubeは一般社団法人情報サービス産業協会の「JISA Awards Winner 2013」,特定非営利活動法人ASP・SaaS・クラウド コンソーシアムの「ASP・SaaS・クラウドアワード2013 基幹業務系グランプリ」を受賞している.

1.製造業を取り巻く課題

 製造業におけるグローバル展開は,企業規模を問わず喫緊の課題として差し迫っている.激変する需要や為替変動,新興国の人件費高騰,海外メーカとの競争,チャイナリスクや東日本大震災を契機としたリスク対策に加え,最適地生産や地産地消といった現地化も視野に,弱肉強食の市場原理の中で,本格的なグローバル展開への取組みが避けられない状況となってきた.中でも「高品質」「高付加価値」でこれまで日本の製造業を支えてきた部品製造業においては,取引先の急激な生産量調整や海外移転など企業存続にもかかわる環境変化に直面し,生き残りと新たな成長に向けて変革に取り組む企業が増えている.特に製造業の根幹業務ともいえる生産管理業務とそれを支えるITインフラの見直しは,業務改善やコスト低減といった短期的な課題であるのみならず,変化に強い生産体制作りや,状況に応じたコストの変動費化など,先の見えないグローバル化の中で抜本的に取り組むべき課題とも言える.それを支援する生産管理システムやクラウドサービスへの期待が高まるのは当然の流れとも言える(図1参照).

図1●製造業を取り巻く環境と課題
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