コンタクトセンタはIT化が最も進んだ企業組織の1つである.情報処理学会にコンタクトセンタフォーラムが,ITフォーラムの1つとして2010年に設立された.現在は「コンタクトセンタの経営貢献」をテーマに活動している.具体的には「経営から見たコンタクトセンタの位置付けが低い」という問題を取り上げ,この原因を徹底的に分析した.その結果,経営視点でのコンタクトセンタ活用の方法論が確立できていないという問題を再認識することになった.そして,この問題を解決するために「コンタクトセンタの経営貢献の中身」を経営視点と現場視点の両方から議論していった.次に「戦略マップの実践ガイド」[1]に沿って,コンタクトセンタの経営貢献の見える化にトライして「経営貢献目標に対するコンタクトセンタの役割と位置付け,相互の関係の明確化」を行った.作成したマップは,コンタクトセンタの活動とその管理指標が紐付けされているので,何をすれば経営貢献につながる指標を上げられるのか,どこに問題があって結果に結びつかないのかを素早く見つけることができるものになっている.現在,当フォーラムではこの結果を発展させ,経営視点でのコンタクトセンタ活用方法論の確立に向け研究活動を継続している.本文では最近行われている議論も紹介する.

1.はじめに

 コンタクトセンタは,企業の中にあって顧客接点を担う重要な組織である.しかし,この重要性を理解しておらず,または,その価値を過小評価している経営者も多くコンタクトセンタの社内での位置付けは,まだ低いと言わざるを得ない.一方,先進的な組み立てを成功させ,企業業績の改善に大いに貢献しているコンタクトセンタも生まれつつあり,業界は2分化されてきている.これまでコンタクトセンタは,電話の接続率や接続待ち時間の短さ,応対の丁寧さなどを競ってきたが,これらはもう当り前の努力であり,これからは経営に貢献するコンタクトセンタに変身する努力が求められる.また,そのために,従来のセンタ運用中心の方法論に加え,経営視点からコンタクトセンタを有効に活用する方法論が求められる.他方,コンタクトセンタの活用方法論もグローバル化への対応が可能なように,異なる言語や文化環境にも適用可能な論理で説明が可能な方法論であることが求められる.このような背景のもと,実務家を中心とし実践経験をベースに科学的な視点とIT活用の視点をもって,経営に積極的に貢献する高付加価値型のコンタクトセンタを実現するためのコンタクトセンタモデル創出を目標に当フォーラムが2010年に設立された.

 現在,先進的な大手のコンタクトセンタのセンタ長や責任者,コンタクトセンタを対象とした出版社の編集長,コンサルタント等,約15名で「コンタクトセンタの経営貢献」をテーマに月に1回の研究会をもって活発に活動している.

科学的な視点を持って
高付加価値型・経営貢献型
モデルの創出にチャレンジ

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