「標準化や自動化により保守運用業務を誰でも担当できるようにするといったコスト削減策を打つことなく、ITベンダーに料金の引き下げを求めたことが原因」「4年間にわたり保守運用を委託していたITベンダーから申し入れがあり、契約を終了・解除した。先方の担当者は本音を明かさなかったが、当社の担当者に問題があったと推測している」。

 ユーザー企業が丸投げしていたシステムの保守運用業務からITベンダーが撤退する動きが加速している。この「極言暴論スペシャル!」では、ITproの私のコラム「極言暴論」で実施したアンケート調査を基に、ITベンダーが撤退に至った保守運用の現場の悲惨な実態を明らかにしている。第4回目の今回は、ユーザー企業関係者の証言から、ITベンダーの撤退などにつながるIT部門の様々な問題点をあぶり出す。

 このアンケートには342人から回答を得たが、そのうちの3分の1にあたる122人がユーザー企業関係者からのものだった。「実際に撤退した」「撤退する予定がある」とするITベンダー関係者の割合(ITベンダー関係者の回答の約4割)に比べて低いものの、「ITベンダーに撤退された」「撤退を通告されている」と回答したユーザー企業関係者は21人と、ユーザー企業関係者の回答の2割弱を占めた。

図●「ITベンダーに撤退されたか、撤退を通告された」との回答は2割弱
ユーザー企業関係者に「最近、あなたの所属する企業の情報システムの保守運用業務からITベンダーが撤退したことがありますか」と聞いた
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 冒頭の2つのコメントは、実際にITベンダーに撤退された経験のあるユーザー企業の関係者からのものである。ITベンダーは顧客に撤退の本当の理由を伝えることはないが、ユーザー企業側も自らに非があることに気付いているようだ。ただ、ITベンダーの撤退に直面したことがないユーザー企業の関係者からも、IT部門や自社の問題点に強い危機感が表明されている。例えば次のようなものだ。

 「IT部門プロパーの技術的な知識が異常なまでに低い。利用部門からの問い合わせや障害報告は自身では対応せず、保守を請け負うITベンダーの技術者にそのままスルーパス。責任転嫁のためかITベンダーへの姿勢も高圧的で、ITベンダーの内部で不満が溜まっているのが現状。このままではITベンダーの撤退という事態も想定されるが、その危機感すら持っていない」。

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