今、多くの日本企業の間でIT関連の大きな関心事となっているものを一つ挙げるとすれば、IoT(インターネット・オブ・シングス)だろう。製造業を中心に日本企業の、特に経営者の刺さるテーマとしては、IoTの右に出るものはない。

 なぜ経営者もIoTに強い関心を示すかと言えば、IoTによって集められる膨大なデータが、これからの企業の競争力のカギを握ることが容易に理解できるからだ。コマツの「KOMTRAX」などIoT活用の成功事例が既に存在する。さらに、ものづくりの拠点である工場の高度化、自動運転車などの大きなイノベーションにおいても、IoTは必要不可欠なものであることは、誰の目にも明らかだ。

 こうしたユーザー企業側の関心の高まりを受けて、大手ITベンダーは「IoTプラットフォーム」の構築を急ピッチで進めている。IoTプラットフォームとは、クラウド上に膨大なIoTデータを蓄積・分析する基盤を提供するものだ。ユーザー企業の要望に応じてAI(人工知能)機能なども提供する。

 実は、このIoTプラットフォームで先行したのは、既存のITベンダーでもなければ、ITベンチャーでもない。コマツと並びIoT活用の先進企業として名高い、米国の重電大手ゼネラル・エレクトリック(GE)である。GEは培ってきたIoT活用ノウハウに加え、ソフトウエア技術者の大量採用などによりシステム開発力を強化してきた。そして今やITベンダーとして、自社のIoTプラットフォーム「Predix」などの売り込みをかけているのだ。

 これは既存のITベンダーにとっては由々しき事態。“ネットの書店”だったアマゾン・ドット・コムがAWSでクラウド最大手にのし上がったのと同じ構図に見える。そこで米IBMや、GEと同様の重電メーカーでもある日立製作所、そして富士通、NECなども、IoTプラットフォームの提供を急ぐ。ITベンダーのうち特に製造業であるコンピュータメーカーにとって、IoTは決して後れを取れない分野なのだ。

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