論理的思考力を身に付ける行為として、プログラミングや算数への期待が高まっている(関連記事1関連記事2)。これは果たして本当なのか。ソニーコンピュータサイエンス研究所上級研究員で脳の働きを研究している茂木健一郎氏に考えを聞いた。(聞き手は田島 篤=出版局)


 論理的思考力を身に付けるための手段として、プログラミングが注目されています。プログラミングは論理的思考力を得るための近道なのでしょうか。

(写真/都築雅人、以下同)
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 プログラムというのは、いわゆるバグ、例えば論理の穴があると正しく動作しません。コンピュータはあいまいな言葉を理解しないので、論理的かつ緻密にプログラムを構築しないと意図した通りに動いてくれません。

 そのため、プログラミングをすると自然と論理的に考えざるを得なくなります。同時に、いろんな要素(パーツ)を組み合わせて、システムとして完成させる能力も求められます。

 こうしたことから、プログラミングをすることにより、自然と論理的思考力、およびシステム思考力が鍛えられるということではないでしょうか。

 くだけていうと、コンピュータに「適当にやっといてよ」と伝えてもやってくれません。人間同士の場合は意外と感覚的な言葉で通用しますけれども、コンピュータときちんとコミュニケーションをしようと思ったら、感覚的ではダメです。極めて論理的に伝える必要があるので、例えば、コンピュータが得意な人のなかには、日常生活においても論理的に物事を伝えて嫌われたりする人もいるじゃないですか。「なんか動かないんだけど」と言ったら、「動かないって、どういう事象が起こっているのか」とか「動かないときのパラメータを教えてくれないと状態を把握できない」とか答えてしまう人は、感情的に冷たい人と評価されがちです。

 このような現状を大きくとらえると、論理的思考が求められている半面、世の中全般はまだとてもあいまいに動いているので、そのギャップが生じているのではないでしょうか。

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