「ITの力で工場の稼働率を高めたい」――精密機器を製造しているZ社のA専務から電話がかかってきました。A専務は現社長の子息で、総合商社を経て入社したばかり。意欲満々です。稼働率向上の切り札として、新人営業のD太君と先輩SEのM子さんは、A専務と秘書のHさんにインダストリー4.0で注目度が急上昇しているセンサーの活用を提案しました。

A専務 生産ラインにトラブルが発生して、生産をストップせざるを得ないことがしばしば起きて困っているんだ。生産を止めない工場をつくり、工場の稼働率を上げること。それが私に課せられたミッションだ。ITの力でそのミッションをクリアできないだろうか。

D太 センサーを活用しましょう。

A専務 センサー?いきなりだね。センサーを活用すると、どうして工場の稼働率が高まるのかな。

M子 工場の生産設備にセンサーを取り付けます。センサーから得た生産設備の稼働データを収集し、生産管理システムで分析します。それによって、生産ラインが停止に陥る要因を明確に分析できます。生産停止要因を突き止めたら、対策を講じることができます。

A専務 生産を停止させる原因を可視化して、つぶしていくわけだね。それが素早く実行できれば、工場全体の稼働率も向上するというわけか。そのツールがセンサーなんだね。

D太 センサーはIoTのキーデバイスです。そしてIoTは、インダストリー4.0の中核技術です。工場にIoTを取り込んで製造革新に取り組みましょう!

A専務 インダストリー4.0は、ドイツが官民を挙げて取り組んでいる第4次産業革命のことだね。

M子 インダストリー4.0を推進している企業は、センサーを製品自体の付加価値を高めることに活用しています。

Hさん 製品の付加価値を高めるとはどんなことを指すのですか?

M子 建設機械を製造している企業の取り組みがいい例です。この会社は、建設機械にセンサーと通信モジュールを取り付け、製品の稼働情報をインターネット経由で収集・分析しています。それによって顧客に、部品の交換時期が近づいていることを知らせたり、建設機械の稼働率を向上させるための提案を行ったりしています。

 顧客にとって利便性の高い情報を提供するサービスを、自社の価値としているわけです。従来の発想だと、製造業のビジネスはモノを売ったらそこで終了となりますが、この会社のビジネスは納品後も続くんです。

Hさん センサーが製品の価値を向上させているケースは、他にもありますか?

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