第10回は、第9回で考察した事例の回答編です。

 前回は、「コーヒーメーカーの保温タイプポットの蓋に水が溜まりやすい、溜まった水をうまく出す方法はあるか」という問い合わせに対しての企業からの返信をご紹介しました。

 パッと見たところでは、お客様に失礼にあたる表現も見当たらず、体裁もキレイに整えられているように見えます。

 お客様からのメールと返信メールを細かく確認していくと、回答漏れしている質問がありますよね。お客様が質問していた「今後の製品も同じ仕様なのか」については答えていません。

 今回のお客様だけではなく、他のお客様からも「蓋に水がたまる」という問い合わせが入っており、担当者としては“また、蓋の水の件だ”と決めつけて回答を作成してしまったのが見てとれます。

 蓋の形状から送付まで、メール全体を通して説明文がつづいています。

 お客様というのは不思議なもので、同じような意味合いの文章でも、自分に関係がありそうだと思えばきちんと読み、誰にでも当てはまる説明文だと思うと読み飛ばす傾向があり、後者の場合は圧倒的に伝わりづらくなってしまいます。

 元々の返信文章は、蓋に関しての情報量は多いのですが、お客様に合わせてアレンジがされていない点が問題です。

 企業側としては、“この質問にはこの回答”と決まっていて、過去の事例からコピー&ペーストした文章を元に返信を作成することも効率を考えると有効ですが、文章を1から書く手間を省いたのであれば、注意深くリーディングをして、お客様に向けてカスタマイズした返信メールを作成すると満足度が高く伝わりやすいメールになります。

 カスタマイズは、お客様が何をどこまで知っているのかに応じて、どの情報を伝え、どのような伝え方をするのかという視点で行いましょう。

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