タイトルを見て「SIザウルスって何なんだ」と思った人はおそらく、このコラム「極言暴論」を初めてか、数回読んだだけだろうと推測する。毎回読んでいる読者なら「あれのことね」とすぐにピンと来るはずだ。あれとは当然、SIerのことだ。もちろん「ITベンダー」もSIerのこと。つまり重複見出しであるが、今回のポイントは「巨大化し無能になる」である。

 ご存知の通り、私は「SIerの余命は5年」説を唱えている(関連記事:SIerの余命は5年、オオカミは本当にやって来る)。IT業界の中にも同様の主張をする識者がいるが、そうした主張はどちらかと言うと“願望”。「多重下請け構造に依拠した人月商売は無くなってほしい」との思いが生む主張だ。私もその願望を共有するが、私の余命5年説は客観的な予測に基づくものだ。

 で、今回の記事だが、同じ事を書こうというわけではない。実は、SIerは巨大化しすぎた。いわゆる“3000億円倶楽部”、売上高3000億円以上のSIerはもちろん、1000億円クラスのSIerですら、下請けのITベンダーを使った人月商売では巨大すぎるのだ。その結果、多くのSIerで無能化が進みつつある。ユーザー企業のIT部門は人員削減が進み無能になったが、SIerは巨大化したために無能になるのである。

 要はSIerの恐竜化、SIザウルスである。そして恐竜と同じように、巨大化したSIザウルスは滅亡の時を迎える…。そんな話を書くわけだが、その前に、古くからの読者には極言暴論の原型とも言うべき「SIガラパゴス」の記事を思い出していただきたい(関連記事:日本だけ!「SIガラパゴス」に明日はあるか)。私はこの記事で、世界に類を見ないほど多重下請け構造を発達させた日本のIT業界を、SIガラパゴスと名付けた。

 つまり、SIガラパゴスという日本固有のエコシステム(生態系)の頂点に君臨するSIザウルスは、間もなく滅亡の時を迎える。「SIガラパゴスにSIザウルスとは、例えがふざけすぎている」と呆れる人もいると思うが、実に良い例えなのだ。恐竜絶滅の引き金は巨大隕石の落下だと言われているが、哺乳類の先祖は生き延びた。同様に、SIガラパゴスにも巨大隕石が接近している。では、生き延びるのは誰だろうか。

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