健康診断・人間ドックを手掛ける一般財団法人 健康医学予防協会(本部・新潟市)では健康診断の受診者数が年々増加し、事務量が膨大になっていた。健診結果をまとめた受診票の内容を手作業またはスキャナーでデータ化していたが、事務量の増加にスタッフの増員が追いつかない状況だったという。

 また、グループの一般財団法人 日本健康管理協会(本部・東京都)が東京・群馬・栃木で健康診断を実施する場合は、受診票を健康医学予防協会の新潟本部へ宅配便で送ってデータ化していたが、受診から健診結果が届くまでに数日を要していた。受診票が本部へ届くのは健診の翌日になる。それからデータを入力し、健診結果を出力して、法人事業所などへ宅配便などで発送していたためだ。

写真1●健康医学予防協会の伊藤忠明情報管理部部長

 健康医学予防協会の入澤憲二理事長は「このやり方はいずれ限界を迎える。根本的な業務改革を実施しないと、協会そのものの存続が難しくなる」と考え、情報管理部の伊藤忠明部長(写真1)に対策の検討を指示。同協会は2008年に、基幹システムへのデータ入力といったフロント処理を効率化する「ハンディ健康診断システム」を導入した。

 同システムでは、2次元バーコードである「QRコード」を印刷した受診票を用いるとともに、身長・体重、血圧などの各種検査機器から測定データをHT(ハンディーターミナル)経由で受信して処理する。導入によって健康医学予防協会は、健診業務の大幅な効率化とデータ品質の向上を達成。2014年には経済産業省から「IT経営実践認定企業」として認定されている。

 以下では、同協会におけるハンディ健康診断システム導入の経緯を詳しく説明しよう。

競争激化で経営課題が浮き彫りに

 健康医学予防協会は1984年に設立され、2015年に創業31年を迎えた健診機関である。同協会では、公共機関や法人事業所など(以下、事業所)から年間のべ約29万人が健康診断を受診している。グループの日本健康管理協会と合わせると年間のべ約89万人が受診するという。

 健診事業の競争は年々激化しており、同協会も厳しい経営環境に置かれているが、健康志向の高まりから、受診者および事業所の双方が健診情報に正確さやスピードをこれまで以上に求めているのも確かである。

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