ドクター・オブ・ジ・アースは、味にこだわった野菜を産地直送で販売する企業である。2007年に「野菜ソムリエの店 のら 千里中央店」を立ち上げ、青果物の小売を開始。2009年には飲食店向け卸売事業「野菜ソムリエの店 のら AIR事業部」を、さらに2011年には小売店向け卸売事業をスタートさせ、2013年には東京営業所を開設している。「のら」は農業の農に楽しいと書く。野良仕事の「のら」など農業を連想させるため、店名として採用したという。

 同社は、こうした矢継ぎ早の事業展開に伴って2010年にクラウドコンピューティングをベースにした飲食店向けに独自の情報システム「のら産直システム」を導入。取引先がWebサイトから効率的に注文ができるようにした。同社は2013年には「新のら産直システム」を稼働させ、食品小売店向けにも対応。3年間で350店舗との取引を実現している。

 ドクター・オブ・ジ・アースの主要な取引先である飲食店や食品小売店は共通の課題を抱えている。まず飲食店は魚肉類のメニューで差異化することが当たり前となり、新たな食材を求めている。また地域スーパーのような中小食品小売店は他店と同じ卸売市場から仕入れを行うため、品ぞろえが似てしまう。対策として飲食店や食品小売店は、産地直送野菜を仕入れる戦略を取り始める。このとき忙しい店主に代わって高品質な野菜を選りすぐり生産者へ注文するのが同社の役割である。

豊中商工会議所の支援制度がITCとの接点に

写真1●豊中商工会議所 IT推進室の吉田哲平係長、押川携室長、進木奈緒美氏

 ドクター・オブ・ジ・アースとIT経営の専門家であるITコーディネータ(ITC)の接点は豊中商工会議所だった(写真1)。同会議所のIT推進室は、経営者を対象に勉強会「ネットショップ塾」を開催。その卒業生などが経営する企業に対して、経済産業省の表彰制度「中小企業IT経営力大賞」への応募支援および応募に向けた経営改善支援を、ITCの新保康夫氏とともに行っている。ドクター・オブ・ジ・アースの河村賢造社長もこのネットショップ塾の卒業生だった。

 しかし新保氏が同社を訪問したところ、河村社長は中小企業IT経営力大賞への応募条件などについて質問すると同時に、当時は飲食店のみに対応していた「のら産直システム」を事業展開に伴って小売店との取引にも対応させたいという要望を打ち明ける。具体的には「販売ロットが異なる」や「商品配送に使う箱の大きさ・個数が注文時にすぐ分からない」などが課題になっていた。

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